西武は松井稼頭央監督の休養を発表し、渡辺久信GMが交流戦から監督代行で采配をふるっている。
主力選手がFA移籍で他球団へ 若手の野手陣が伸び悩み
松井監督に対する球団の期待は大きかった。
現役時代は走攻守3拍子揃った遊撃手として活躍し、最多安打2度、盗塁王3度獲得。トリプルスリーを達成するなどパンチ力も兼ね備え、日米通算2705安打を記録した。
18年限りで現役引退以降は西武で2軍監督、1軍ヘッドコーチを歴任。2度のリーグ優勝を飾った辻発彦前監督の下で学び、昨年に満を持して監督に就任した。
ところが、森友哉(オリックス)、山川穂高(ソフトバンク)と主力選手がFAで他球団に移籍し、若手の野手陣が伸び悩んだ。
深刻な貧打が解消できず思うような結果が残せない。昨年は65勝77敗1分で5位に低迷。
今シーズンも4月の初旬から2勝15敗と大きく負け越して借金10に到達すると、その後も上昇するきっかけがつかめず、借金はワーストの17に。
最下位に低迷し、休養でチームを離れることはショックが大きかっただろう。
人格者として知られ、選手たちから慕われる
スポーツ紙デスクは、
「松井監督は負けが込んでいる状態でも、選手を責めることはなかった。人格者として知られ、選手たちから慕われていました。一方で、指導者としての引き出しが多いと言えない。優しいだけでは勝負に勝てません。チームの空気を変えるためには厳しさも必要です。まだ48歳と若いですし、ここで指導者人生が終わるのはもったいない。武者修行ではないですけど、他球団でコーチとしてのキャリアを積んでほしいです。西武にまた戻ってきてほしいと望んでいるファンは多い。いつになるかわかりませんが実現してほしいですね」
と期待を込める。
バックネット裏から、野球をもう一度見直すのも選択肢の1つだろう。監督として指揮をふるった経験を今後のキャリアに生かしてほしい。(中町顕吾)