IFCNは収入の5%以上を占める資金源の公表求める
上記4団体のうちFIJ以外の3団体は、国際的なファクトチェック団体「国際ファクトチェックネットワーク」(IFCN)の認証団体で、IFCNは収入の5%以上を占める資金源についてウェブサイトで公開するように求めている。リトマス、インファクトは、すでに掲載されている。
JFCのあり方について質問したのは、有識者会議構成員で、武蔵大学社会学部教授の奥村信幸氏。奥村氏はFIJの理事も務めている。論点は大きく3つだ。ひとつが財政の問題。JFCに対する援助は、JFCに対して直接ではなくSIA経由で行われていることや、
「それ(5%超の収入源に関する情報公開)がなされていないまま1年近く放置されている」
と指摘した。
2つ目が、官公庁との関係だ。例えばSIAは17年6月には「インターネット・ホットラインセンター」の運営を警察庁から受託したことを発表している。これが「ファクトチェックはコンフリクト(競合、利益相反)を起こさないのか」という問題だ。
3つ目が運営体制だ。JFCは運営委員会(委員長:曽我部真裕・京都大学大学院法学研究科教授)のもとで編集部がファクトチェック記事を出す体制だが、運営委員会について情報公開がないことも指摘した。
これらの疑問には、直前にプレゼンテーションをしていたJFC編集長の古田大輔氏が主に答えた。古田氏も23年12月までFIJの理事を務めていた。
1点目については、「法人格がJFCにないので、銀行口座は作れない」として、いったんSIAが受け取った上で「ちゃんと切り分けて」いると説明。
透明性に関する課題については「おっしゃるとおり」とも。決算後の法的手続きで公表までに「最低でも、もう数か月はかかるだろう」と話し、「運営委員会でも議論されている」とした。
2点目のSIAの警察庁の事業については、JFC立ち上げ時点ですでに終了しており、今後も復活する可能性はない、とした。