ファクトチェック、団体のあり方めぐり議論も 有識者会議で飛んだ「質問」

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   コロナ禍を経て「偽・誤情報」対策のあり方が課題になる中、総務省の有識者会議で、ファクトチェックに詳しい識者がファクトチェック団体について厳しい質問を投げかける場面があった。ファクトチェックを行う団体がいかに独立性を保つかという問題だ。

   俎上にのぼったのは、ヤフーなどのネット事業者でつくる「セーファーインターネット協会」(SIA)が2022年10月に発足させた「日本ファクトチェックセンター」(JFC)。SIAは過去に警察庁からの案件を受託していたこともあり、JFCの独立性を問う声などがあがった。JFC側はすでに事業は終了しており、今後復活する可能性はない、などと説明している。

  • 4月にSIAが開いたシンポジウム。JFCも取り組みを説明した
    4月にSIAが開いたシンポジウム。JFCも取り組みを説明した
  • ファクトチェック団体の課題のひとつが資金調達だ
    ファクトチェック団体の課題のひとつが資金調達だ
  • 4月にSIAが開いたシンポジウム。JFCも取り組みを説明した
  • ファクトチェック団体の課題のひとつが資金調達だ

2023年11月に初回会合、もう20回開催

   発言があったのは、24年5月24日にオンラインで開かれた「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」(座長:宍戸常寿・東京大学大学院法学政治学研究科教授)の第20回会合。この有識者会議は、

「実空間に影響を及ぼす新たな課題の発生に対して、当該課題と多様化するステークホルダーによる対応等の現状を分析し、デジタル空間における情報流通の健全性確保に向けた今後の対応方針と具体的な方策について検討するため」

   として、23年10月31日に設置が発表された。初回会合は11月7日で、約7か月に20回、つまり、1か月に3回弱というハイペースで開催されている。

   この日の会合の内容のひとつが、ファクトチェック団体によるプレゼンテーションで、ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)、JFC、リトマス、インファクトの4団体が登場した。この中でFIJだけ位置づけが異なり、自分でファクトチェックを行うのでなく、ファクトチェックを行う団体への支援を目的にしている。

   各団体が公表している資料によると、JFCが最も予算規模が大きく、設立時点では、運営資金はヤフー(現・LINEヤフー)から1年に2000万円、米グーグル社の慈善事業部門から2年間で最大150万ドル(当時のレートで約2億1700万円)の援助を受けてまかなうとしていた。24年1月末現在、この2社に加えてメタ社からも支援を受けていることを公表している。

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