シニア層は「完全リモートワークで成果だけで評価する」
2023年6月に閣議決定された内閣府の「高齢社会白書」によると、2030年の高齢化率(65歳以上人口割合)は30%を突破する見込みだ。1985年には2603万人いた0~14歳人口は1240万人と半分に減り、その後も減少の一途を辿る。
65歳以上人口を15~64歳人口で支える割合は、1985年の6.6から2030年には1.9に。高度成長期には、高齢者1人を生産人口6.6人で支えていたのに、いまでは2人未満で支えなければならなくなる。
社会全体としても、65歳以上の高齢者に少しでも自立してもらわなければならない。そのためにも、高齢者はできるだけ働いて戦力になり、企業もそれを有効活用する必要があるだろう。
Aさんは「すでに多くの大手企業が、給与制度の年功制部分を縮小したり、ほぼなくしたりしてジョブ型に移行しているのは、高齢者の有効活用に備えたものともいえます」と説明する。
「たとえば当社では、40代以上社員の完全リモートワークを増やしているのですが、リモートだとアウトプットの成果だけで評価されるので、若い女性かロマンスグレーの男性かなんて関係なくなります。残業もなく割り切った関係で、決まったジョブをこなしてもらう。帰宅途中の一杯がなくなって寂しい、と感じる人もいるかもしれません。ですが、面倒な人間関係もなくプライベートを大事にし、ワークライフバランスが取れた生活になっていくのがこれからの働き方なのだと思います」