「定額減税」知らない人多すぎ! 主婦4割「初めて聞いた」...ありがたみ帳消しな「混乱招く、政府のお粗末な指示」

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政府の指示で「どうでもいい仕事」に追われる自治体と税務署職員

――フリーコメントには、「この後に直面する増税で消える」とか「誤魔化されている感しかない」といった批判の意見が渦巻いていますね。

川上敬太郎さん 国民が感じている率直な声が寄せられていると感じます。一方で、なかには「良いこと」「有難い」と評価する声も寄せられています。物価高などで生活がひっ迫しているなかで、金銭的なメリットがある定額減税自体に反対という声は決して多くはないように思います。

しかし、寄せられた声の端々から、他の増税や政治不信の払拭といった根幹の問題を解決するのではなく、お茶を濁そうとしているかのような印象を受けている人が多いように感じられます。

――川上さんはズバリ、定額減税をどう評価しますか。

川上敬太郎さん せっかく打ち出した減税策なのに、少なからず冷ややかに受け止められていることが、とてももったいないと感じます。また、重ねて気になるのが、給付金のようなシンプルな形ではなく、定額減税という複雑な形にしたことによる事務工数の発生です。

企業からするとシステム改修費が発生したり、対応に社員の工数及び人件費をかけたりすることになります。実際に人事関係者からの悲鳴が耳に入ってきています。年末調整に影響する可能性があり、事務工数の増加は一時的なものでは済まなさそうです。

また、企業からの問い合わせを受ける税務署職員も対応に追われ、官民双方に残業や人件費のコストが増える要因となりえます。働き方改革を進めて長時間労働是正の機運が徐々に高まっていますが、せっかく生まれている流れに対して逆行しています。

――メリットもあるだけに、残念なやり方ですね。

川上敬太郎さん 定額減税にどんな意図があり、どんな効果を期待しているのか。国民にそれらのメッセージがしっかりと伝わっていないようです。あえて定額減税にしたことの納得感がなければ、対応に振り回される人たちには、不要に工数だけを増やす「ブルシットジョブ」(どうでもいい仕事)と受けとられてしまいかねません。

政府の指示によって生み出される仕事は、生産性の高い仕事のお手本であって欲しい。コロナ以降、人々は疲弊し続けてきました。政府にはぜひ、人々に寄り添った施策とともに、これからの生活が明るくなり希望を持てるようなメッセージを打ち出していただきたいと願います。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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