リアルに作られた動画と、「儲かった」と乱舞するチャット
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を担当した国民生活センター相談情報部の小谷野武瑠(こやの・たける)さんに話を聞いた。
――国民生活センターがこれまで取り上げてきた「投資詐欺」の被害相談は、若い世代が中心でしたが、なぜ、著名人をかたる投資話の被害者には50代以上の「分別盛り」の人が多いのでしょうか。
小谷野武瑠さん 厚生労働省の国民生活基礎調査を見ても、50歳台~70歳台の世帯主の平均貯蓄額は、ほかの世代より高いです。みな1000万円を超えており、特に60歳台は1540万円と、一番多く貯金があります。
子育てが一段落して、さあ、この貯蓄を使って老後の資金を増やそうとする時に、つい上手い話に乗ってしまうのだと思います。
――投資に使うお金がたくさんあるというわけですね。しかし、なぜ著名人の広告に弱いのでしょうか。
小谷野武瑠さん その心理まではよくわからないところがありますが、相談内容を見ると、著名人が対談したり、講演を行なったり、リアルに作られている動画が多いようです。それがAIで作られているかは確認できませんが。また、サクラかどうかは確認できませんが、「儲かった」「儲かった」とグループ内で自慢し合うチャットに誘われるケースが多いです。