プロ野球横浜ベイスターズ、日本ハムでプレーした野球解説者の高木豊氏(65)が2024年5月29日にユーチューブを更新し、巨人・阿部慎之助監督(45)の采配に苦言を呈した。
高木氏が疑問視したのは5月28日に東京ドームで行われたセ・パ交流戦、ソフトバンク戦の6回の攻撃場面だ。
Xで「阿部采配」「オコエのバント」がトレンド入りし
1点ビハインドの場面で、先頭の立岡宗一郎外野手(34)が四球を選んで出塁。続いて丸佳浩外野手(35)が打席に入り、カウント2ボール、2ストライクから立岡が盗塁を決め無死2塁のチャンスを迎えた。
丸は2塁への内野安打を放ち、無死1、3塁と絶好の機会を迎えた。
1打同点の場面で打席に入ったのは、オコエ瑠偉外野手(26)。初球からバントの構えを見せ、3球目にセーフティースクイズを試みたが、ホームベースの前で大きくバウンド。甲斐拓也捕手(31)が捕球し、1塁に送球してアウトに。3塁走者は生還できなかった。
続く吉川尚輝内野手(29)はセカンドゴロに倒れるも、岡本和真内野手(27)が四球を選び2死満塁と再びチャンスが訪れた。長打が出れば逆転の可能性があったが、坂本勇人内野手(35)はライトフライに打ち取られ、得点することができず。大きなチャンスを生かせず、チームは0-2で黒星を喫した。
試合後、インターネットで阿部監督の6回の采配が話題を集め、Xでは「阿部采配」「オコエのバント」がトレンド入りした。
高木氏は阿部監督がオコエにバントをさせた意図について「考え方としたらノーアウト1、3塁。セーフティースクイズで1点を取って、なおかつ得点圏に丸を送りたかった」とし、「1点を取ってなおかつ得点圏にランナーを進めたかった。そのバントに使いたかったというのが本音だろう」と解説した。
「オコエが一生懸命バントをやるから『どうなっているんだ』と」
さらに、作戦としてセーフティースクイズは「なくはない」と理解を示す一方で、「野球がちょっと小さすぎる。もっと大胆に攻めてもいいと思う。自信をもって」と苦言を呈した。
そして、高木氏は無死1、3塁の場面でソフトバンクの内野守備がゲッツー体制をとっていたことを指摘し、オコエのセーフティーバントを疑問視した。
「オコエの足だったらワンチャン、ゲッツー崩れでファーストに残ってくれたらそこからまた足を使える。でも、オコエが一生懸命バントをやるから『どうなっているんだ』と思って。考えられたのはセーフティースクイズで1点を取って、ファーストランナーをスコアリングポジションに置いて、吉川、岡本、坂本で逆転を狙っていたと。そういうのは考えられる。だけど、あまりにもそういうことが多すぎると、確かに打てていないというのもあるが、それで(スクイズで)しか点が取れなくなっちゃう」
現役引退後、横浜ベイスターズや04年アテネ五輪野球日本代表のコーチを歴任した高木氏。自身の指導者としての経験を踏まえ、選手育成について持論を展開した。
「細かいことよりも大胆にやることの方が選手は育つ。絶対に。作戦として『こういうことがあるよ』ということを教える意味では別にかまわない。でも、常にそうだとみんなが萎縮するような感じを受ける。だから大胆にやるときはやって」
チームは29日に行ったソフトバンクとの交流戦の第2戦を1-0で勝利し、対戦成績を1勝1敗とした。