広島が鬼門の交流戦で最高のスタートを切った。
昨年までの通算成績は166勝227敗15分
オリックスと対戦した2024年5月28日は、床田寛樹が7回1失点の快投。2-1で逃げ切り首位に浮上した。
翌29日は打線が今シーズン最多の14得点と爆発。オリックスの投手陣に19安打を浴びせ、投げては先発の森下暢仁が7回無失点の快投と投打ががっちりかみ合い、今季初の5連勝を飾った。
まだ交流戦は16試合残っているが、パ・リーグ3連覇を飾った難敵のオリックス相手に、連勝スタートできたことは大きな意味を持つ。広島は交流戦を大の苦手にしているからだ。
昨年までの通算成績は166勝227敗15分と大きく負け越し。勝率.422は12球団で最低の数字となっている。
19年、コロナ禍による中止だった20年をはさんで、21年、22年と、交流戦では3連続の最下位だった。ペナントレースで春先に好スタートを切っても、交流戦で失速して優勝争いから脱落するようなシーズンが続いていた。
ただ、新井貴浩監督が就任した昨シーズンは9勝9敗で7位と奮闘。勝ち越しこそならなかったが、パ・リーグを相手に互角の戦いを見せていた。
最終的に、シーズンも4年連続Bクラスから2位に躍進した。
交流戦は順位が大きく変動する可能性
ポイントとなる対戦が、オリックスの後に控える、2カード目のソフトバンク戦だろう。通算19勝43敗6分と大きく負け越し、パ・リーグ球団別の対戦成績で最も苦手にしている。
広島を取材するスポーツ紙記者は
「ソフトバンクは手強い相手ですが、ここで白星を積み重ねられれば選手たちにとって大きな自信になる。交流戦で優勝争いする戦いぶりを見せれば、6年ぶりのリーグ制覇も見えてくるでしょう」
と言葉に力を込める。
交流戦は順位が大きく変動する可能性がある。今年は赤ヘル旋風を巻き起こせるか。(中町顕吾)