立憲民主党の蓮舫参院議員(56)が2024年5月27日、東京・永田町の党本部で記者会見し、東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)への出馬を表明した。
近く無所属で3選出馬を表明するとみられている小池百合子知事(71)と激突する構図になる模様だ。蓮舫氏は記者会見で、小池氏の自民党との距離感や、16年の都知事初当選時に掲げた公約の達成状況を中心に小池氏批判を展開した。小池氏をめぐっては、学歴をめぐる問題が再燃しており、3選へのハードルになるとの見方もある。ただ。蓮舫氏は「私からどうこう言う立場ではない」「ご本人が説明しなければいけない」などとするにとどめた。
小池氏が「自民党の延命に手を貸している」点を重点的に批判
蓮舫氏は冒頭発言で、4月末の衆院3補選(東京15区、島根1区、長崎3区)と5月26日投開票の静岡県知事選で、いずれも立憲が公認や推薦した候補者が勝利したことを挙げ、
「国民の声ははっきりしている」
と指摘し、
「裏金議員、政治とカネの自民党。この自民党政治の延命に手を貸す小池都政をリセットしてほしい。その先頭に立つが私の使命だと感じている」
と訴えた。小池氏が「自民党の延命に手を貸している」例として、小池氏が立ち上げた「希望の党」を挙げ、
「結果的に国会における野党を分断した。それは結果的に自民党を利している」
などと批判した。
「最大の争点」について問われた蓮舫氏は、
「争点はいくつもあると思う」
とした上で、前出の衆院補選や静岡県知事選の結果に言及し、
「自民党政治の『政治とカネ』の体質に対して大きな怒りの声があると思っている。私は自民党政治をいったん、終わらせなければいけないと思っている。その自民党と決別すると言って、8年たったら変節して自民党帰りをしている小池さんでは、私は改革はできないと思っている」
などと述べた。
手記は読んだとしつつも...
小池氏をめぐる学歴問題が再燃したのは、元都民ファーストの会事務総長で弁護士の小島敏郎氏が4月10日発売の月刊「文藝春秋」に「小池百合子都知事 元側近の爆弾告発」「私は学歴詐称工作に加担してしまった」と題して掲載した全16ページの手記が発端だ。
蓮舫氏は、この手記は読んだとした上で、
「おそらく多くの読者が感じたような、高い信ぴょう性があるのではないかという感想は抱いている。ただご本人の学歴のことで、私からどうこう言う立場ではないと思うので、選挙に出るのであれば、それは当然プロフィールも含めてご本人が説明しなければいけないと思っている」
と述べた。
「ご本人がきちんと説明することに尽きると思っている」
これを受ける形で、
「発言はしっかりとすべきではないかと思う。つまり我々ジャーナリストも、しっかり見て発言している」
と、学歴問題について旗幟鮮明にするように求める質問も出たが、蓮舫氏は
「小池都知事の学歴についてはご本人がきちんと説明することに尽きると思っている。ご指摘になられたように、3選出馬するとなると、それはジャーナリストの方もあるいは都民も私もその経歴は注目をしている」
と応じるにとどめた。記者会見は30分ほどで打ち切られたが、公約は改めて発表するとしている。
都知事選をめぐっては、広島県安芸高田市の石丸伸二市長が立候補を表明しているほか、衆院東京15区補選での公職選挙法違反(自由妨害)容疑で逮捕された「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者、同団体の根本良輔容疑者も、補選期間中の4月25日に出馬を表明していた。 さらに、「NHKから国民を守る党」は新人13人の擁立を発表。最終的に30人を目指すとしている。児童精神科医の大和行男氏も、一部の候補者しかメディアから取り上げられないことをXで訴えて注目を集めた。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)