「我が強い男性」でなければ、育休は乗り越えられない? Xで話題に...「産休・育休」働く人のホンネ

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   産休や育休は法律で定められた労働者の権利。2021年に育児・介護休業法が改正され、男性の育児休暇取得も推進されています。

   しかし、実際に取得する人が出ると、職場への影響は多かれ少なかれ発生します。

   Xの投稿からは現場にいる人、育休を取得した男性の悩みなど働く人たちが抱える苦悩がリアルに見えてきます。

   ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド【J-CAST出張版】」、今回は「産休・育休」について掘り下げます。

  • 「産休・育休」働く人のホンネは
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かつて育児中の先輩に向けた愚痴が、育休取得中の今の自分に跳ね返る

   育休から職場に復帰した女性のXユーザーが「自分のかけた呪いにかかっている」という心情を吐露した投稿が注目されたことがあります。

20代のとき、時短の先輩に愚痴を言っていた→その後自分が育休を取る立場になり、過去の愚痴が呪いになって返ってきた - Togetter

   その女性ユーザーは20代の頃、育児のため時短勤務となった職場の先輩について

「早く帰れていいよね。自分で決めて産んだんだよね。私たちの子供でもない。(業務から抜けた人の)尻ぬぐい(をやる)なんて理不尽だよ」

と、後輩とともに愚痴を言っていたそうです。

   それから10年後にこのユーザーも育休を取得し、復帰後は時短勤務に。しかし「時短勤務の私には、あのころの私の愚痴が聞こえる。この呪いは消えないんだろうな...」とつぶやいています。

   過去の自分がこぼしていた先輩への愚痴の内容は今、自分に対して他の誰かが言っているかもしれないという恐れを感じているようです。

   この投稿には

「出産前の気持ちも今の気持ちもよくわかります」
「過去の自分が思ってること、私も思われてるだろうなってすごい気にしてしまいます」

など、共感する声が多く集まりました。

   また「当事者にならないとわからない視点や立場はゴマンとある」と、投稿者の心情に理解を示すコメントや、さらには「時短勤務という制度だけあっても、残務を他の人が残業で対応するのは不満が出て当然」と職場のマネジメントについての問題を挙げる人も。

   業務の調整を組織全体で取り組むべきという意見も、見逃せない視点と言えそうです。

「我が強い男性」でないと育児は務まらない? 理解のない言葉に苦悩

   Xでは、女性だけでなく、男性にとっても育休の取得や勤怠の調整はハードルが高いという話もたびたび上がっています。

   夫婦で育休を取得した経験があるXユーザーが「(男性が)優しくていい人ではなく、我が強い人でないと務まらない」と指摘する投稿に、納得の声が集まったことがありました。

今の日本で男性が妻と同等に育児しようと思ったら"優しくていい人"ではなく"我が強い人"でないと務まらないのかもしれない - Togetter

   さらにこのユーザーは

「(育児中は)前例ない中で男性育休をとったり『奥さんに任せられないの?』と言われながら子どもの体調不良で早退したりの繰り返しだから、『優しくていい人』には務まらんのですよ。我が強い人じゃないと」

と持論を展開。

   さらに、男性育休の取得や、子どもの病気で仕事を早退するといった判断についても、上司や顧客との調整が必要になることも。

   こんな時に「上司の顔色優先、顧客の要望優先、(となる)のはよくある」と、男性の立場について理解を示す発言をしています。

   この投稿に対し、女性のXユーザーからは

「夫は育休取得で上司から理解のないことを言われたけれど『いーのいーの、言わせておけば』というスタンスで強いな...と思ってます」
「育児と仕事、両方フルスイングでパンクしてしまった先輩パパさんがいました。『育児するので仕事量減らします!』と胸張って言える図太さが必要ですよね」

と納得の声が届きました。

   また、育休を取得した男性ユーザーからは「『前例がない』とか『男が育休とって何するの?』と言われ、かなり苦労しました」と、理解を得られず苦しんだ経験も語られています。

   男性の育児休暇取得が推進されているといっても、現実はなかなか一筋縄ではいかない状況であることがうかがえます。

「こういう経営者だから人が残る」スタッフとの対話で乗り越えた事例が注目

   「出産が理由で辞めた人はこの10年いない」という経営者の話が注目を浴びたことがあります。

   介護サービス事業を経営するXユーザーは、入社直後に妊娠の報告があったパートスタッフの話を例に挙げて投稿。このスタッフは計4回育休を取得したのち、社内で活躍しているといいます。

入社直後に妊娠報告があったパートさん計4回育休を取った結果、今ではめちゃくちゃ活躍している「こういう経営者だからこそ人が残る」 - Togetter

   この経営者は対策として「人員の補充や話し合いをすることで、一部のスタッフへのしわよせをできるだけ避けてきた」とのこと。

   人員については「可能なかぎり人員補充しますが、休暇明けの人件費を考えると難しい」「残されたスタッフに手当を、という会議も何度かしましたが、そんなに大きな額を出せるわけもなく、実際金では解決できないんですよね」との結論にいたり、スタッフとは「対話しながら乗り越えるしかない」と述べています。

   投稿を読んだXユーザーからは

「マネジメント上大変なこともあっただろうけど、こういう経営者だからこそ人が残る」
「素晴らしい職場環境ですね」

と絶賛する声が多く集まりました。

   もっとも一方で、「さすがに入社して1週間後の妊娠報告はすごすぎる。どこもこんな経営者ならいいなと思うけど...」と経営者の苦悩に思いをはせる声や、「こんなことがどこでも許されるには、国の補助が必要だよね」という意見もありました。

   経営者がスタッフと対話を重ねた結果、会社にプラスとなる人材が残った好例ではありますが、マネジメントの難しさはもちろん、すべての業界・企業で実現させるにはハードルの高さを感じずにはいられません。

   ここまでに挙げてきた産休・育休に関するXの投稿からは、妊娠・出産というライフイベントを手放しで喜べない労働環境や、働く人同士の助け合いだけでは解決できない問題が浮き彫りになっています。

   表には出しにくいホンネの投稿には、産休・育休に伴う問題を解決するヒントが隠れているかもしれません。

   以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド【J-CAST出張版】」でした。今回紹介したTogetterまとめを振り返りたい方はこちらからどうぞ。次回もお楽しみに。

【まとめ一覧】

20代のとき、時短の先輩に愚痴を言っていた→その後自分が育休を取る立場になり、過去の愚痴が呪いになって返ってきた - Togetter

今の日本で男性が妻と同等に育児しようと思ったら"優しくていい人"ではなく"我が強い人"でないと務まらないのかもしれない - Togetter

入社直後に妊娠報告があったパートさん計4回育休を取った結果、今ではめちゃくちゃ活躍している「こういう経営者だからこそ人が残る」 - Togetter

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