上司の役割は部下に「作業」でなく「仕事」をさせること 根気よく「目的意識」を伝え続けよう

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

自分の仕事の「目的」を理解することの大切さ

   このエピソードから学べる点を、いくつか挙げてみましょう。

   職場では、日々に追われて組織全体としての目的を見失いがちです。

   広報の仕事を始めたばかりのYさんも、目的を理解しないまま働いていたがために、上司のKさんの言葉を理解することができませんでした。リリースの目的、ひいては組織としての目的を意識できていなかったのです。

   では、組織とはそもそも何なのでしょう。

   Kさんの最後の言葉のように、組織とは、同じ目的に共感した人たちの集まりです。当初のYさんのように自分の仕事に行き詰った時は、今一度、「組織の目的」に立ち返り、今やっていることが「誰の、何のためなのか」を見つめ直すことが大切です。

   生産性向上が強く求められる現代の企業組織の多くは、効率化や合理化の名のもと、各自の業務に細分化され、個々の目標達成が求められます。

   メンバーシップ型からジョブ型への流れも顕著です。

   これは短期業績を上げるためには奏功するかもしれませんが、一方でKさんの指摘のように、「仕事」思考ではなく、「作業」思考の人や組織を増長させるリスクにもつながるのです。

   ともすれば、みな懸命に働いているのに何の価値も生み出せていない状態、つまり忙しさに惑わされて仕事をしたつもりになりかねません。

   変化が激しく、現場での臨機応援な対応が求められる今日、この負の側面は中長期的には企業にとっての致命傷になりかねません。

   変化の時代だからこそ、組織の目的、さらには組織に貢献する自分の仕事の目的を理解し、柔軟に行動できる人材が求められるのです。

姉妹サイト