「昔、金髪でした(笑)」過去の恥ずかしい写真も公開
Kさんの狙いはさらに功を奏します。
YさんはKさんから社内報の編集担当を引き継ぐことになりました。
これを機会に、さらに他部署にも頻繁に足を運び、顔と名前を売っていきました。行く先々で話を聞き出し、得た情報を社内報に反映させるのです。
「積極的に人と会うことはもちろん、昔、金髪にしていた頃があったんですけど、そんなちょっと恥ずかしい写真を思い切って社内報で公開しました。自分がどんな人物なのかを、なるべく多くの人に知ってもらう努力をしました。すると、社内報への情報出しを協力してくれる人が増えたと同時に、普段の仕事でも私の意見に耳を傾けてくれる人が増えたんです」(Yさん)
こうした進展を目の当たりにしたKさんは、こう話します。
「広報が他部署から認められてきたという証拠です。広報は『この人に頼めば何でも精一杯やってくれる』と思われることが大切。そのためには、社内メールには誰よりも早く返信するように言って聞かせました」(Kさん)
Yさんが作る広報物は、その後、社内でも社外でも大ブレイクしていきます。
このエピソードは5月27日公開の<上司の役割は部下に「作業」でなく「仕事」をさせること 根気よく「目的意識」を伝え続けよう>に続きます。
(紹介するエピソードは実際にあったものですが、プライバシー等に配慮し一部変更を加えています。)
【筆者プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお):株式会社FeelWorks代表取締役。青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授。人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業のFeelWorks創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。
近著に、『部下全員が活躍する上司力5つのステップ』(FeelWorks、2023年3月)、『部下を活かすマネジメント「新作法」』(労務行政、2023年9月)、『Z世代の早期離職は上司力で激減できる!』(FeelWorks、2024年4月)など。