自社製品の機能より、込められた「想い」を伝えたい!
やがて、Yさんはあるアイディアを思いつきます。それは、自社の広報パンフレットを作成することでした。
「広報として、多くのメディアからの問い合わせに対応していたものの、振り返ると、その内容は通り一遍の機能説明ばかり。そこに関わる製品開発や製造の当事者たちの、完成までの工夫や熱い想いを伝えられていなかった。だから、もっと自社で働くプロたちのドラマを発信したい。『こういう"想い"や"魅力"を持った会社なんだ』と知ってもらえる内容にしたいと思いました」(Yさん)
思い立ったが吉日、Yさんが早速企画書を提出すると、何と、たった3日で企画が通ったのです。「作業」ではない、自分なりの意図を持った「仕事」の提案が評価されたのです。
「うれしかったですね。決まってからは、自ら社内の人にインタビューをしたり、見せ方にこだわったり。とにかく充実したパンフレットになるよう、がんばりました」(Yさん)
そこでKさんは、Yさんらしい人としての魅力をもっと仕事に生かすようアドバイスします。
「Yさんは親しみやすく、話しやすい雰囲気の持ち主。だから、社内メールや電話ではなく、とにかく現場に行って、直接人と会って話をしなさいと言いました」
「広報は、社内のさまざまな人から情報をもらい発信する役割ですが、なかには情報をすんなり開示してくれない人もいます。でもYさんなら、本人が自己開示していくことで相手も警戒心を解き、円滑に仕事が進められます」(Kさん)