実在しない「逮捕前保釈金」要求、LINEで「逮捕状」届くケースも
「そうは言いますが、本当に警察からのお電話か、今の時点ではわかりません。そのような状況では、このまま話せませ......」
言い終わるかどうかのタイミングで、「警察官」からの電話は切れた。全身の力がどっと抜ける。やっぱりか――。そう思うと、一瞬でも信じかけた自分にうんざりする。
念のため、地元の警察署に電話したところ、担当者からは「ほぼほぼ詐欺」と断言された。また、過去に一度だけ利用したECサイトで最近、情報漏洩があったことも知った。住所、電話番号なども含まれており、ここが情報の出元だった可能性がある。
このまま電話を続けたら、どうなっていたか。
被害事例を見ると、多くは電話、またはLINEでの取り調べに誘導され、また別の「警察官」や「検察官」を名乗る人物から、「このままでは逮捕される」と脅されている。中には、LINEで「逮捕状」の画像を送りつけられたケースも。
そうしてだまされた場合、実在しない「逮捕前保釈金」、あるいは「マネーロンダリング捜査への協力」などの名目で、指定された口座に現金を振り込まされてしまう。また、口座のパスワードなどを聞き出され、勝手に預金を引き落とされたり、暗号通貨を購入させられてそれを詐取されたり、などして、さらに被害が大きくなった例もある。