37歳記者もダマされかけた「偽警察からの電話」その手口をリポート 各地で被害、2億円超詐取も

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

思わずだまされかけた...その理由

   記者の場合、相手を信じかけた大きな理由は、「住所」だ。「警察官」が、記者が過去に住んでいた住所を読み上げてきたのである。

「○○さんの住所で間違いないですか」
「は、はい。すでに引っ越していますが......」

   しかも、マネーロンダリングに使われたというA銀行の口座も、確かに持っていた。さらに、この何年もまったく手をつけておらず、どうなっているのか把握していない。

(......ありうるかもしれない)

   名前。電話番号。住所。銀行口座。それをすべて知られていたことで、一瞬信じかけてしまったのだ。恥ずかしながら。

   だが、今思えばこれこそが犯人の思惑だ。住所や電話番号などの個人情報さえ手に入れてしまえば、あとはA銀行も大手のネットバンクだから、口座を持っている人は多いし、サブ口座的に使っていて、放置状態という人も少なくないだろう。記者はまんまとハマりかけてしまった。

「漏洩した個人情報などを元に、勝手に作られた可能性はありますが、法的にはあなたの口座ですから、捜査対象ということになります」

   捜査対象、という部分を、「警察官」は少し強調する。それだけでこちらは、ついドキッとしてしまう。

「住所はすでに変わっているとのことですが、現在のお住まいは?」

   思わず現住所を口にしかける――が、さすがにブレーキがかかった。

「......失礼ですが、こちらの電話は本当に警察からなんですか?」
「はい、私は警視庁捜査二課のオオタニマコトです」

   うーん、答えになっていないような......。だが、こちらに深く考える時間を与えず、「警察官」は畳みかける。

「いずれにせよ、そういう事情ですので......。○○さん、香川県警本部のほうに出頭いただくことは可能でしょうか」
姉妹サイト