37歳記者もダマされかけた「偽警察からの電話」その手口をリポート 各地で被害、2億円超詐取も

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   「あなた名義の銀行口座が、マネーロンダリングに使われていた」――警察などをかたる電話で、多額の現金をだまし取られる被害が相次いでいる。「このままでは逮捕、勾留される」などと不安をあおられ、2億円以上を振り込んでしまったケースも。

   実はこれを書く記者(37歳男性)も、こうした電話に遭遇し、危うく話を信じかけてしまった経験がある。犯人の手口はどのようなものか。実体験をもとにリポートする。

  • 警察官などをかたり、現金を振り込ませる特殊詐欺。その実態は(イメージ)
    警察官などをかたり、現金を振り込ませる特殊詐欺。その実態は(イメージ)
  • 2023年10月以降に起きた、類似の手口の特殊詐欺被害(報道などを元に編集部作成)
    2023年10月以降に起きた、類似の手口の特殊詐欺被害(報道などを元に編集部作成)
  • 警察官などをかたり、現金を振り込ませる特殊詐欺。その実態は(イメージ)
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「警視庁捜査二課」から「香川県警本部に出頭して」

「○○さん(=記者)のお電話ですか。警視庁捜査二課のオオタニマコトと申します。香川県警からの協力要請を受けて、お電話しました。今はご自宅ですか? 念のため、周りに話を聞かれないような場所に移動してほしいのですが......」

   その電話は、突然舞い込んだ。2024年のゴールデンウィーク谷間の平日、17時過ぎ。記者は在宅勤務中。番号は非通知。怪訝に思っていると、中年男性風の「警察官」は単刀直入、こう告げてきた。

「突然ですが、○○さんに、香川県警本部まで、身分証を持って出頭していただきたい」

   予想もしない展開に、「は?」と頭が真っ白になった。それを見透かすように、「警察官」は穏やかな口調で続ける。

「実は、香川県警がある事件を捜査する過程で、あなた名義のA銀行のキャッシュカードが発見されました。こちらの口座が、マネーロンダリングに利用された疑いがあります」

   鼓動が早くなる。

   出頭? マネーロンダリング? 香川まで? 仕事は? どうすれば――?

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