「上司の指導が理解できない!」正社員登用の女性が悲鳴 その「ダメ出し」連続が意図したことは

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「まずはやってみて! 失敗したら責任は取る」

   契約社員時代とは難度の異なる厳しさに直面し、四苦八苦していたYさん。でも、そこはやはり「すくすく系」。受け手としてはコロコロ変わるように思えるKさんの指示に戸惑いながらも、「何か意図があるに違いない」と信じ、決して投げやりにはなりませんでした。

   「上司のKさんを信頼していたので、どんな言葉も受け入れることができたんだと思います」と、Yさんは振り返ります。

「広報の基礎すら知らなかった私に、『まずはやってみて!』と、実践から入らせるのがK課長のスタンス。何も教えられないまま、駆け出しの私が新製品を持ってメディアの前でプレゼンするなんて、相当なプレッシャーです。でも、Kさんの『いくら練習しても、本番を経験しないと何もわからない。失敗したら私が責任を取るから』という懐の大きさを感じたので、不安を抱えながらも現場に飛び込んでいくことができましたし、失敗からもたくさん学べました」(Yさん)

   時折くじけそうになりながらも、悪戦苦闘する日々。Yさんには、実は激務だった前職を1年ちょっとで辞めてしまった苦い経験がありました。

   そこで、今度はとにかく3年は頑張ろうと決意します。その間には、苦しい状況を抜け出せるときが来ると信じて。

「そうしたら、2年で目の前がパッと開けた気がしました(笑)。なるほど!と思えることが増えたんです」(Yさん)

   その後、YさんはKさんに見いだされた素直さと柔軟性を生かし、自分にしかできない仕事の仕方を模索していきます。

   このエピソードは5月26日公開の<驚くほど細かい上司の指導も、いまは感謝 20代女性社員を成長させた「上司力」のポイントは>に続きます。

(紹介するエピソードは実際にあったものですが、プライバシー等に配慮し一部変更を加えています。)



【筆者プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお):株式会社FeelWorks代表取締役。青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授。人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業のFeelWorks創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。
近著に、『部下全員が活躍する上司力5つのステップ』(FeelWorks、2023年3月)、『部下を活かすマネジメント「新作法」』(労務行政、2023年9月)、『Z世代の早期離職は上司力で激減できる!』(FeelWorks、2024年4月)など。

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