プロ野球巨人の元エースで野球解説者の江川卓氏(68)が2024年5月22日にユーチューブを更新し、大リーグのロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平選手(29)の不安点を指摘した。
「壊れる寸前と言ったらいいのかな」
今シーズン打者に専念している大谷は打撃が絶好調で、打率.354、13本塁打、34打点、OPS(出塁率と長打率を足した数字)は1.069をマーク。一時はナ・リーグ打撃部門の多くでトップに立ち、現在は首位打者だ。13本塁打はリーグ2位につける。
作新学院高時代は「怪物」を称され、巨人のエースとして最多勝、最優秀防御率など数々のタイトルを獲得した江川氏。現役時代の自身の経験から大谷の現状を独自に分析し、好調ゆえの「不安」に言及した。
大谷の活躍もあって最近、大リーグの試合を見るようになったという江川氏は、大谷の現状について「少し高めのボールを打ち出した。高めのボールを打ち出すとレフトフライが増える。それが起きてきたので『ちょっと調子をくずすかな』と思ってみていた」と語った。
そしてプロの第一線で好調を維持し続けることの難しさに触れつつ、好調さから「不安要素」を指摘した。
「すごく打っているときとか、よいボールを投げているときは、体の状態が完ぺきで投げたり打っている。不思議ですが、調子がいいときは体が究極の状態でやれている状況なんですよ。打てるとか、いいボールが投げられるとか。続けばいいですが、究極の状態で筋力とか神経とかが最高の状態でやっている。だから、バッティングの成績やピッチングがいい。これは怖い。壊れる寸前と言ったらいいのかな」
「自分が20勝したときそうだったから」
さらに巨人時代の経験を振り返り、大谷の現状に言及した。江川氏はプロ3年目の81年に20勝を挙げ最多勝のタイトルを獲得。このシーズンは最多勝、最優秀防御率(2.29)、最多奪三振(221個)、最高勝率(.769)に輝き、投手部門4冠を達成した。
江川氏は「自分が20勝したときそうだったから」と切り出し、当時をこう振り返った。
「もう少しよく投げようと思ったから。それでわき腹を痛めたのでよく分かる。最高にいいときは、自分の最高の状態でやっているのでおっかない。(大谷が)3割7分くらい打っていて3試合連続くらい(ホームランを)打ったときに『おっかない状態で出てきたな』と思った。1番最高の状態でやっているので壊れやすい」
大谷は23日(日本時間)に本拠地ドジャー・スタジアムで行われたアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦に「2番・DH」で先発出場し、4打数1安打だった。