JR東日本は、駅ビルやエキナカの商業施設などを利用した顧客が、従業員や店舗に感謝メッセージやチップを送れる「TipSmile(チップスマイル)」をスタートする。店頭の専用二次元コードやSNS等で配信される専用URLから、専用サイトにアクセスして実行できる。
ポジティブな意見を集めることがねらいのようだ。しかし、サービスを悪用して、カスタマーハラスメント(カスハラ)や従業員へのストーカーといったネガティブな目的に使用されないか。対応策を取材した。
JR高崎駅で実証実験、結果は
JR東日本では「TipSmile」の活用で、「お客さまのポジティブな声が従業員や店舗にダイレクトに伝わり、働きがいや接客業の魅力向上を実現します」としている。
半面、サービスの悪用が心配だ。また、個人に対してメッセージが送れると、クレーム攻撃や下心のあるメッセージを寄せるケースが出てくるかもしれない。
「TipSmile」は、群馬県のJR高崎駅で実証実験が行われていた。その最中にネガティブなメッセージやトラブルがなかったか。JR東日本からは、
「これまでにクレームが入った事例や、お客さまとのトラブル事例はございません」
との回答だ。仕組み上、商業施設や店舗などにすべてのメッセージとチップが届くが、管理権限を持つ担当者のみがログインして確認する。「基本的には商業施設担当者や店長が、従業員にフィードバックを行うことを想定しています」。
また、従業員が作成するアカウントに直接メッセージが届くことはない。さらに、悪質な投稿が確認された際には、投稿者本人に対してサービス利用停止等の措置をとる場合があると説明した。