「ギャラが一番ではなく、決めた業務をやれと町が言ったのが問題」
「ギャラのことが、一番言いたかったわけではありません。一番問題なのは、決めた業務でやるように町が言って来たことです。我々は、こんな条件じゃできないよということです。物には、順序があります。我々の事情を察知してからやりましょうね、なら納得がいきます。15項目の要望を出すと、予算がなく条例を変えないとできないと言われました。そうしたら、できないよねということになります」
もっとも、報酬についても、異論があることは認めた。
「我々は、コンビニのバイトではありません。ヒグマに向かうのに、この額で命を賭けられるかということです。ハンターの言い分を代表して伝えたかったわけです。部会の5人全員が仕事を持っており、仕事中に緊急呼び出しがかかったら、費用弁償の額としては妥当なのかというのも疑問に思っています」
北海道のヒグマ対策室によると、道が猟友会に報酬を出すことはまれにあるが、1回1人2万円ぐらいになるという。奈井江部会の山岸部会長は、道などと同等に4万5000円の支払いを求めたのは、報奨金も含めての額だと説明した。
山岸部会長は、「文書で参加辞退を申し入れましたので、もう終わったことだと思っていますが、町から説得を受ければ、それを受け付けるかは状況次第だと思っています」と述べた。
今回の辞退について、奈井江町の産業観光課は5月22日、取材に対し、次のように答えた。
「部会の方との協議が続いていると思っていましたので、びっくりしている状態です。予算の関係があるため、すぐに回答できないと伝え、内部で検討して町の回答を作っている最中でした。『人員的にも難しい』という理由について、どのような経緯でどんな意図があるのか、部会の方に聞かないといけないと思っています。ヒグマ対策の3700円という額は、近隣の自治体に合わせたものになります。まだ回答の内容は、全然固まっていませんが、早ければ今週中にも、部会の方に出したいと考えています」
奈井江部会が求めたハンター2人以上、ドローン配置などについても、「まだ協議中ですので、どうするかは何とも言えません」と話した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)