「コロナ特需」後は、エントリーモデルに活路
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめた帝国データバンク情報統括部の飯島大介さんに話を聞いた。
――市場規模が1兆円突破、「100円ショップ」がここまで伸びてきた理由は何でしょうか。
飯島大介さん コロナ禍では、ほかの小売業が苦戦したのに、巣ごもり効果で需要を大きく伸ばしたことが大きいです。感染を防ぐために必要な消毒薬やマスクなどの衛生用品は、100円ショップに行けば、全部安く買うことができます。100円ショップも衛生用品を大量に仕入れました。
そのついでに、さまざまな日用品を買うことができます。100円ショップだと安いし、8万~9万のアイテムがそろっているため、ファーストステップとして、「まず100円ショップに行く」という行動様式が定着しました。
――「コロナ特需」が終わった後は、どうやって売り上げを伸ばしたのでしょうか。
飯島大介さん ファーストステップに撤した戦略が大きいです。コロナ後はアウトドアやガーデニング、自分の力で家具や小物を作ったりするDIY(Do It Yourself:ドゥ・イット・ユアセルフ)などがブームになりました。
100円ショップはそうしたトレンドに乗り、売れているアウトドア用品などにデザインが似た、もっと安い商品を並べたのです。たとえば、1万円のテントによく似た500円のテントとか。デザインも新しいものを作るというより、安くして追いかける方法です。
初めてキャンプやガーデニングなどを始める人のための安価な「エントリーモデル」という立ち位置を、幅広いジャンルで確立したことが多くの顧客層の獲得につながったのです。