結婚する人、しない人、家族以外に人のつながりを求める人
――なるほど。そういえば、男性が女性に求める条件でも、対照的に「家事・育児の能力や姿勢」を重視する割合がガクンと減っていますね。
北村安樹子さん これも、男性が女性だけに任せず、自分から進んで家事・育児に取り組む姿勢が強くなった表れだと思います。
その一方で、男性は女性に求める条件で経済力を「考慮」する人が増えて、重視する人と合わせて半数近くになりました。
これは、結婚や子どもを望む若い人の間で、家事・育児と仕事の両立に関して、お互いに対等の関係で、協力して取り組もうという姿勢が強くなっているということです。
――これからの若い世代の結婚は、ズバリどうなりますか。
北村安樹子さん 結婚する人、しない人、それぞれの選択が多様化しています。家族を持たないライフコースを歩み、心身の健康と人のつながりに関心を強めているも増えています。
結婚を選択するカップルでは、家事育児の進め方や、費用と時間のかけ方について、相互理解と歩み寄りの姿勢がますます大切になってくるでしょう。とても「いい感じ」のカップルが増えてきそうな流れで、個人的にはとてもうれしいです。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)
【プロフィール】
北村 安樹子(きたむら・あきこ)
第一生命経済研究所ライフデザイン研究部 副主任研究員
1995年ライフデザイン研究所(現・第一生命経済研究所) 入社。
ライフコースの変化や生活者意識に関する各種調査研究に従事。最近の研究テーマは、シングル化、成人期以降の家族関係、言葉・意識のジェネレーションギャップなど。