女性「私も働くから夫の収入はあてにしない。その代わり...」
――ところで、「両立コース」が初めて「再就職コース」を追い抜いてトップに踊り出ました。これはキャリアを続けたまま女性が仕事と家庭を両立させる時代がきたという点では画期的な出来事ですね。
北村安樹子さん 女性の多くが産休育休を取れるようになったこと、また、男性の育休制度が広がるなど、制度が充実してきて、使う人が増えてきたことが背景にあると思います。
ただ、バリキャリの女性が多くなったとか、そういう働き方の女性が推奨されるようになったかというと、必ずしもそうではないと考えています。
――どういうことでしょうか。
北村安樹子さん 女性も男性も、結婚や出産を機に仕事を途中でやめるより、お互いに働き続けていたほうが生活設計は安定するし、将来安心だよね、と自然体で考えるようになってきたのだと思います。
【図表3】を見てください。独身男女が結婚相手の条件として考慮・重視する割合のグラフです。このグラフで目につくのは、女性が男性に重視する条件として「経済力」の割合がガクンと減っていることです。その一方で、「家事・育児の能力や姿勢」を重視する割合が10ポイントも急上昇しています。
これは、女性の側が「私も働くから、あなたの収入はそれほど当てにしない。その代わり、家事育児を2人でしっかりやっていこう!」と、呼びかけているのです。男性の経済力と、家事育児のスキルや主体的に取り組むかどうかという姿勢を、バーターにしているのです。