いまどき独身女性、結婚相手に「経済力」より「家事育児スキル」求める...逆に独身男性は「経済力」の深いワケ/第一生命経済研究所・北村安樹子さん

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「結婚しないとヘン」という決めつけから自由になった?

――今後も結婚しない若者が増えるでしょうか。

北村安樹子さん 今後のことはわかりません。ただ、人口問題研究所の調査では、「一生結婚するつもりはない」と回答した未婚者に、これまでに「いずれ結婚するつもり」と思ったことがあるかを聞いています。

すると、「ない」と回答した割合は、たとえば、18~24歳の女性では2015年調査に比べ、10ポイントも増加していますから、増えている傾向はみられます。

この調査結果はネガティブにとらえる考え方と、ポジティブに考えるとらえ方と、両面あると思います。

もし本当に結婚したくない若者が増えているのなら、少子化問題で大きなマイナスになります。ですが、若者ひとりひとりの生き方を考えると、必ずしもネガティブとは言えません。

今まで「結婚はするもの」とか「結婚しないとヘン」とか言われてきたことに対して、コロナをきっかけに、若者の一部に「結婚しないという選択肢もある」ということがわかり、積極的に結婚しないことを考える人が増えたということだと思います。

――「結婚すべき」という決めつけに押し流されず、自分の人生を自分の意思で選ぶ傾向が出てきたということですね。

「結婚しない」といえば、若い男女が希望するライフコースでも、「非婚就業コース」と、結婚してもあえて子どもをもたず、夫婦2人だけの生活を楽しむ「DINKs(ディンクス)コース」が増え始めていますね。

「DINKs」は、かつてバブル崩壊前に、新しい理想の夫婦像として女性誌が一斉に特集をしてブームになりました。

北村安樹子さん 「DINKs」が増えているのは、2つ側面があります。1つは子どもができないこと。もう1つは、夫婦2人だけの生活を優先させたいためか、あるいは経済的理由からか、あえて子どもを持たないこと。

最近は、「友達婚」とか「ビジネス婚」という言葉を聞きます。友達婚とは、ずっと友人関係できた者同士が、恋愛関係に発展することなく結婚することを指すそうです。趣味や価値観が似ているため楽しく生活できますが、セックスレスになり子どもができないことが多いと言われます。

ビジネス婚とは、お互いの仕事を尊重して経済面で協力し合う企業同士の運命共同体のような結婚だそうです。経済を重視するのが特徴です。「DINKs」の人にもビジネスライクな関係があるのかもしれません。ただ、共働きカップルは多かれ少なかれ、みなビジネス婚の要素を持っていると思いますが。
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