いまどき独身女性、結婚相手に「経済力」より「家事育児スキル」求める...逆に独身男性は「経済力」の深いワケ/第一生命経済研究所・北村安樹子さん

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コロナで初めて「結婚」と向き合った若者、その結論は?

   J‐CASTニュースBiz編集部は、リポートをまとめた第一生命経済研究所ライフデザイン研究部副主任研究員の北村安樹子さんに話を聞いた。

――「結婚するつもりはない」独身男女が増えた調査結果、政府系機関である人口問題研究所が出した衝撃の数字とあって、多くのメディアが大きく取り上げました。

「恋愛に消極的な20~30代」とか「結婚したくてもできない時代から、そもそも結婚しない時代へ」などと話題になりました。結婚に消極的な独身男女が増えた理由は、ズバリ何だと思いますか。

北村安樹子さん コロナの影響が大きいと思います。人口問題研究所の調査は通常5年ごとに行われ、2015年の次は2020年の予定だったのに2021年に伸びた経緯があります。この時、まさにコロナ禍の真っ最中でした。

多くの人が自分の命、健康、仕事、お金、そして人生を考えました。若者もそうです。ふだんは結婚のことなどあまり考えずにホンワリを過ごしてきた若者が大半だと思いますが、改めて将来どうするか、どう生きるかを真剣に考えたのだと思います。

そこに、この人口問題研究所の設問です。「いずれ結婚するつもり」と「一生結婚するつもりはない」の二者択一だけです。中間のニュートラルな質問はありません。よくあるアンケート調査なら、「結婚する」と「結婚しない」という回答の中間に「かなりそう思う」「ややそう思う」など5段階の質問があり、どの程度、結婚意向が強いかどうかを判断します。

――なるほど。目からウロコのユニークな視点ですね。人口問題研究所の設問の仕方に疑問があるというわけですか。

北村安樹子さん そうは言っておりません。人口問題研究所が長年、こういう設問をしてきたことは、統計的に意味があることだと思います。

ただし、「いずれ結婚するつもり」という回答は、かなりぼんやりした気持ちを表わした回答ですが、「一生結婚するつもりはない」という回答は、「結婚しないと決めた」といという明確に断定した意志を表しています。そのどちらかを選べという問いかけです。

この問いかけで、若者が結婚に関して突き詰めて考えるようになったのではないでしょうか。そして、コロナ禍という特殊な社会状況の中で、配偶者や子どもを持たない人生を視野に入れ、経済面の生活設計だけでなく、健康づくりや、趣味ライフワークを通じた人とのつながりに関心を強めた人も多く出たと思います。

そこで、さまざまなシミュレーションをした結果、「今の時点では結婚しないでおこう」と判断した人が多く出たのかもしれません。
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