悩みや不安、心の不調の相談に乗り、解決に向けたサポートをしてくれる心理カウンセラー。国家資格「公認心理師」や取得難易度の高い「臨床心理士」という資格があるものの、実はカウンセラーとして活動するために資格は必須ではなく、短期間の勉強で取得できる民間資格のみで活動する人もいる。例えば2024年2月には、タレントのあおちゃんぺさんが「心理カウンセラー」の資格を取得したとXで明かし、話題となった。
一方で、この資格のみを掲げて活動することを疑問視する声もある。公認心理師・臨床心理士の資格を持つ専門家は、「対価に見合う専門的なサービスを提供しているわけでもないのに、お金をもらっているという構造があるとすると、専門家の職業倫理からすると問題」と懸念点を指摘する。
あおちゃんぺさんが心理カウンセラーの2資格を取得報告
あおちゃんぺさんが取得したのは、一般財団法人日本能力開発推進協会が認定する「上級心理カウンセラー」と「JADP認定メンタル心理カウンセラー」の資格だ。
資格取得の報告とともに、「全国の小学校を回って講演会やカウンセリングをしたいと思っています」と今後の活動について明かした。
さらに「子供時代の経験や環境はその後の人生に大きく影響します。1人でも多くの子供達が楽しく生きられるように活動頑張ります!!」と意気込みを語った。
これに、あおちゃんぺさんの行動力を称賛し応援する声が多く寄せられた。一方、一部では国家資格などではない数か月で取得できる資格のみでカウンセリングの活動をすることへの疑問の声も上がった。
心理系の資格には、公認心理師法に定められた国家資格「公認心理師」や、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する「臨床心理士」がある。いずれも主な受験資格は、指定の大学院修了またはそれと同等の知識や実務経験が必要だ。
対してあおちゃんぺさんが取得した2資格は、日本能力開発推進協会が指定する「認定教育機関等」のカリキュラムを修了すれば受験資格が与えられる。学習期間の目安は2資格で4か月。そもそも受験資格取得の段階で、必要な年月に大きな差がある。これではカウンセラーとして活動することに、十分な専門性が得られないのではないかといった懸念が出ている。
こうした懸念に、あおちゃんぺさんは「当たり前に希望者に対してカウンセリングするので国家資格の所有者にカウンセリングして欲しい人は来ないと思います。なので国家資格云々はどうでもいいです。それは利用者が選ぶ事なので信用ならないと思う人は来なければいいだけです」と反論している。