「当店の従業員はマスクを外して業務を行います」――。牛丼チェーン「吉野家」(東京都中央区)に、こんな張り紙があったとして投稿された画像が、X上で話題となっている。一律でマスクをしないと方針を取ったとも読めるが、実際はどうなのか。J-CASTニュースは吉野家に聞いた。
「今後も徹底した衛生管理を行ってまいります」
吉野家は、いわゆる「コロナ禍」だった2020年11月に発表したプレスリリースによると、感染予防のための取り組みとして「店舗従業員のマスク着用の義務化」を実施していた。
張り紙では、「今後も徹底した衛生管理を行ってまいります。何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます」と呼びかけている。お問い合わせ先として吉野家のお客様相談室の電話番号を記載していることから、会社全体の方針とみられる。
Xでは、マスクをしていない従業員がいたとするクレームへの対策だとしてこの「宣言」を称賛する声のほか、食品を扱う以上は衛生管理としてマスクをしてほしいといった声も上がった。
実際に店舗に行ってみると......
吉野家の広報担当者は2024年5月17日、J-CASTニュースの取材に、マスクの着用について「吉野家として新型コロナウイルス感染症が5類に移行して1年が経過したことから、5月以降、勤務中のマスク着用を原則不要としました」と説明した。
ただ、一律でマスクをしないということではなく、「個人の主体的な選択を尊重し、着用については個人の判断に委ねています」という。
また、この張り紙は個別の店舗による作成でなく「会社の意向」であることも明かした。
衛生管理については、「スタッフ一人ひとりが『食の安全』に対する意識を持ち、調理から食材の管理まで、マニュアルを遵守して徹底した衛生管理を行っています」と説明した。
実際、記者が首都圏内にある吉野家の店舗を訪れたところ、店内に張り紙は掲示されていたものの、2人の従業員はどちらもマスクを着用して業務していた。