「大量の『誤発注』買ってください」投稿に通じる?
このような2組のアーティストの取り組みについて、マーケティング論の専門家でプロデューサーの濱田俊也・文京学院大学経営学部教授(濱は正しくはまゆはま)は、
「まず岡崎さんがネットを用いて宣伝活動を行い券売に結びつけ、そして、ヤバイTシャツ屋さんは岡崎さんを参考にして宣伝していたと思われますが、両方成功したととらえられるでしょう」
と説明した。
そのうえで、マーケティング・コミュニケーションの観点からいえば、彼らの日頃のアーティストスタイルやコンセプトにより持たれているブランドイメージと、今回の宣伝方法とがマッチしたことが成功の要因になった、と見解を示した。
一方で、フェスの総合プロデュース経験もあるプロデューサーの顔も持つ濱田教授は、
「『チケットが余ってるので買ってください』とは、有名メジャーアーティストともあろう人が一体なにをやっているんだ、という印象も持つ人も少なくなさそうです(笑)」
とも指摘する。
「いうなればチケットが見立て違いで余りまくっていたことを考えれば、この2組だけの宣伝の成功の物語でなく、たとえば『間違って大量発注しちゃったお弁当を買ってください(涙)』という、"SNSでの告知、宣伝による、誤発注のリカバリーの成功の系譜"に位置付けてもよさそうな気がします」
では、「誤発注した大量の商品を買ってください」という投稿が話題になり、リカバリーが成功するポイントはあるのだろうか。
濱田教授は、「たいていの場合、やらかした人が愛される存在であることでしょう」という。今回の岡崎さんやヤバイTシャツ屋さんの「キャラクター」が、成功を導いたと評価した。