中日が4-9と大量失点で敗れた16日の阪神戦(バンテリン)。球場のボルテージが上がったのが、4点ビハインドの6回に、根尾昂の救援登板が場内アナウンスでコールされた時だった。
首脳陣にアピールできる水準ではなく
今シーズン2試合目の登板。敗戦処理の立ち位置だったが、結果を残せばチーム内での序列が上がる。だが、期待に応えられる投球をできなかった。
6回1死一、二塁のピンチを背負うと、原口文仁に146キロの直球を左翼席へ3ランを被弾。試合を決定づける一打だった。
7回以降は3回連続無失点に抑えたが、制球のバラつきが目立ち、直球で空振りを奪えない。
阪神打線が本来の状態からほど遠かったにもかかわらず、4回2安打4四死球3失点。4三振を奪ったが、首脳陣にアピールできる水準に到達していなかった。
22年途中から投手に転向、初勝利も遠く...
スポーツ紙記者は
「根尾は直球の球速より質を求めていますが、速さを感じないので今のままでは厳しい。スライダー、フォークも直球が走ってこそ生きてくる。制球も不安定で、正直1軍では厳しい。全ての面でレベルアップが必要だと思います」
と手厳しい。
投打の二刀流で大阪桐蔭では全国制覇を3度達成するなど、世代のトップで光り輝いていた。
だが、ドラフト1位で遊撃として中日に入団したが伸び悩み、22年のシーズン途中から投手に転向。初勝利を未だ挙げられていない状況で、存在感が年々薄くなっている。
根尾はもう一度、輝きを取り戻せる日が来るだろうか。(中町顕吾)