「井上の試合の99パーセントは日本で行われている」
対戦を実現させるならば、井上が体重を上げ、デービスが体重を落としての契約体重での試合が現実的となるだろう。
アラルシク氏は、ドリームマッチ実現に向けもうひとつの「条件」を提示した。それは日本開催でなく、サウジアラビア、米国、英国などでの開催だ。
「井上は偉大なファイターだ。日本国内だけで戦わせるのではなく、世界に見てもらおう。サウジアラビアでも、アメリカでも、ロンドンでも。彼は素晴らしいファイターだ。数年で辞めてしまうのは残念だし、彼の試合の99パーセントは日本で行われている」
5月6日に東京ドームで世界2階級制覇のルイス・ネリ(メキシコ、29)を6回TKOで下し4団体の王座防衛に成功した井上。米国の歴史と権威あるボクシング専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級の垣根を超えた最強ランキング)で1位に返り咲き、世界最強の称号が与えられた。一方のデービスはPFP8位にランクイン。
スポーツ紙の報道によると、井上の次戦は9月に計画され、対戦相手はIBF・WBOスーパーバンタム級1位サム・グッドマン(オーストラリア、25)と、元IBF世界スーパーバンタム級王者テレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド、37)が候補に挙がっている。
サウジアラビアの王族アラルシク氏が描くドリームマッチ。体重などの問題から実現の可能性は高くはないが、もし実現すればボクシング史に残るようなドリームマッチになるだろう。