飲食店、なかでも酒を比較的安く販売する店で、東京と大阪で決定的な違いがある。それは、ビール大瓶の価格だ。
インターネットで、立ち飲み店や「せんべろ」といった価格の安い個人店を10か所ほどと、併せて口コミ情報も調べた。ビール大瓶は、東京では450円や490円と、500円弱が多い。一方、大阪は350円や390円など、東京よりも100円ほど安い。なぜなのか。
大瓶ビールを愛飲する文化
キリンホールディングスの広報を取材すると、店頭価格については、「オープン価格となっていることから、当社がコメントする立場にないと考えております」とのことだった。
東京都内にある立ち飲み店の店員に、東西でのビール価格の違いを聞くと、「大阪の大瓶がそんなに安いとは知らなかった」と話した。大阪の事情には詳しくないが、こんな推測をした。つまり、大阪では大瓶ビールを飲む文化が広がっており需要が大きい、というものだ。そのため、供給側の問屋やメーカーの卸価格が安くなっているのではないかと話す。
「大瓶ビールを愛飲する文化」が、大阪で広がり始めたきっかけは何だったのか。別の居酒屋で、来店客がこう答えた。
「大阪で大瓶ビールが安いのは、はじめに問屋が直接経営する居酒屋で卸価格ぎりぎりの安値で出して好評だったことが関係あるそうです」
その後、他店もその金額にならい、安価が根付いていったようだ。