「女性活躍」のカゲで...働くママの8割、正社員辞めた経験 専門家の願いは「誰もが家事育児に携わり、仕事と両立する未来」

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夫婦が対等に仕事と家庭を両立させるモデルを標準に

――なるほど。川上さんは、ズバリ働くママが正社員を辞めずに働き続けられるようにするには、何が一番大切と思いますか。

川上敬太郎さん 夫と話し合って家事や育児などの負担がママだけにかたよらないようにするとか、仕事する際に休みがとりやすくするなど、大切なことはたくさんあると思います。なかでも1つ挙げるとしたら、家庭の事情に合わせて柔軟な働き方を可能にすることが重要なのではないでしょうか。

いかなる事情があっても1日8時間以上、週5日勤務、職場への出社を義務づけるという環境だと家庭とのバランスをとるのは至難のワザです。フレックスや在宅勤務などを状況に応じて柔軟に使えるだけで、働きやすさは大きく変わってきます。

柔軟な働き方が選択できれば、たとえば仕事中に子どもが急に熱を出してしまった場合などでも、「一旦中抜けして、状況が落ち着いたら自宅で続きを終わらせよう」などと時間の調整がしやすくなります。

――そのほうが、仕事で成果も出しやすくなりますよね。

川上敬太郎さん そのとおりです。逆に、柔軟性が担保できないと、仕事をやりきれず他の社員にしわ寄せがいきやすくなったり、職場に隠してサービス残業などで対処してしまったりする可能性があります。

――今回の調査で、特に強調しておきたいことがありますか。

川上敬太郎さん 調査では働くママにフォーカスしていますが、これは男性も含めてすべての働き手に関わっているテーマです。

働くママが抱えている課題だからと、「女性活躍」の枠の中だけで考えてしまうと、対応を間違えるということです。

これからは性別問わず、だれもが家事や育児に携わり、仕事との両立に悩むことになる時代です。そんな未来像に、目を向けておく必要があります。

ご家庭ごとに最適な形が異なるので、専業主婦や専業主夫という形ももちろんよいのですが、夫婦が対等に仕事と家庭を両立させるモデルを標準形態の1つとして考えておかないと、時代が進むにつれて、職場も家庭も現実とのギャップに振り回されていくことになるのではないでしょうか。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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