「大城選手が40歳くらいまで不動でいてくれれば...」
「これまでにも、大城選手は大事なところで交代させられたケースが多くありました。小林選手や炭谷(銀仁朗)選手(現西武)のような控えのキャッチャーで守りに特化したキャッチャーがいたので、終盤の大事なところになると抑えのキャッチャーが出てきていた。そのため、大城選手には本当の意味の修羅場、経験値が足りていない。勝っている時に逃げ切るための最後の1イニングのバッテリーはどれだけ大変か。キャッチャーとしてここが1番大事だという場面を小林選手や炭谷選手に任せていたところがあるので、阿部監督が物足りなさを感じていたと思います」
原辰徳氏(65)の政権下では、正捕手として21年から3年連続で100試合以上に出場した大城。橋上氏は今シーズンの大城の起用法は、捕手出身の監督ならではのものだと指摘した。
そして、阿部監督の大城への思いをこう「代弁」した。
「メインで出場していてケガもないキャッチャーを2軍に落とすことはあまりないことです。そこにはキャッチャー出身の指揮官のキャッチャーに対する思い入れや、大城選手に対する思い入れなどが出ている。加えてチームが勝つため、上昇していくためには、いかにキャッチャーが重要なのかという意味での措置だったのでしょう。一部で『懲罰ではないか』と勘繰られていますが、全くそんなことはない。逆に、大城選手とチームの今後を考えての措置だったと思います」
続けて次のように持論を展開した。
「打てるキャッチャーという称号を与えるにはまだまだ物足りないところはある。だが、可能性としては、現状、巨人の中で打てるキャッチャーとしてレギュラーを張れるのは大城選手であることに間違いない。年齢的なものを考えて、大城選手が40歳くらいまで不動でいてくれれば、チームとしても安定した戦いができるというのが阿部監督の考え方なのでしょう。巨人はここ何年間で組織的に崩れてきた。これを1年で立て直すのはなかなか難しい。どこから手を付けるかというところでいうと、まずはチームの土台となるキャッチャーからと考えたと思います」