「官製ファクトチェック」は機能するのか コロナ禍教訓で政府「行動計画」改定案も...くすぶる「検閲」懸念

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新しい知見が必要な事柄の真偽判断、政府は「極めて抑制的であるべき」

   柳ヶ瀬氏は

「こういったグラデーションのある、新しい知見が必要なもの、知見がどんどん積み重なっていくものに関しては、真偽に関して、政府が判断をすることは極めて抑制的であるべき」

などと訴えた。

   政府のネット上のコンテンツをめぐる介入のあり方については、総務省の有識者会議「プラットフォームサービスに関する研究会」が20年2月に出した最終報告書で、

「プラットフォーム事業者による情報の削除等の対応など、個別のコンテンツの内容判断に関わるものについては、表現の自由の確保などの観点から、政府の介入は極めて慎重であるべき」

だと提言している。松本剛明総務相は、この報告書から「考え方を変えているわけではない」とする一方で、政府としての「こちらの情報が正しい」といった情報発信は必要だとの立場を示した。「一般論」として、

「偽・誤情報への対応策としては、プラットフォーム事業者などが規約によって、これを削除することによって対応するというのも1つの方法。適正なプラットフォーム事業者の社会的責任を持った運営はお願いをしていきたい」

などとプラットフォームのあり方に触れた上で、

「それぞれの立場でしかるべき情報発信をさせていただいて『こちらの情報が正しい』『こちらの情報を理解いただきたい』ということで、情報発信によって偽・誤情報に対応するということも考えられると思う。そういう意味での情報発信については、それぞれの立場で適切に行っていただきたい」

と述べた。

   この答弁を受けて、柳ヶ瀬氏は、情報発信のあり方を判断する第三者機関の設置が必要だとした。

「政府がどういう情報発信をして、それが本当に正しいのかどうなのか。こういったことを見定める第三者機関、この設置こそ、まさに必要なのではないか」

(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)

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