混戦が続くパリーグ。ロッテは5年目を迎えた佐々木朗希の進化に期待したいが、他球団からは意外な声が聞こえてくる。
「直球が160キロをガンガン出していた昨年とは違って」
ここまでのところ、今シーズンは3勝2敗、防御率2.56という成績だ。
2024年4月7日のオリックス戦(ZOZOマリン)から先発投手が7イニング以上を投げ、かつ自責点を2点以内で抑えた時に記録されるHQS(ハイクオリティスタート)を4試合連続達成したが、5月10日の日本ハム戦(エスコン)は6回に集中打を浴びて5失点KO。今シーズン2敗目を喫した。
パリーグ球団の打撃コーチは
「今年はメリハリをつけて投げる印象があるね。昨年までは調子が良い時は対策のしようがなかったけど、今シーズンは抜く部分があるので、そこにチャンスがある。シーズントータルで長いイニングを投げるためにいろいろ考えてやっているんだろうけど、直球が160キロをガンガン出していた昨年とは違って、今年は150キロ台が多く速さを感じない。怖さがなくなったね」
と指摘する。
エース級は「省エネ投球」の技術に長けている
佐々木は22年4月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)で完全試合を達成するなど、ド派手なパフォーマンスを見せてきた、だが、度重なる故障もあり、規定投球回数に到達したシーズンがない。
昨年も15試合登板にとどまり、7勝4敗、防御率1.78。左脇腹の肉離れで7月下旬から1か月半離脱し、チームも優勝争いから脱落した。
将来はメジャーに挑戦するという夢を持っており、今年はシーズンを通じて先発ローテーションを守ることに重点を置いているのだろう。
エースと呼ばれる投手は白星を積み重ねるために、三振を常に狙うわけではなく、少ない球数でアウトを重ねる「省エネ投球」の技術に長けている。
佐々木が故障なく1年間投げ切らなければ、チームも頂点にたどり着かない。投球スタイルの変化は功を奏すか。(中町顕吾)