「野菜洗いの専用水」ベジセーフ、「鶏肉水洗い」推奨で波紋 「食中毒菌飛散の危険性」指摘、専門家も警鐘

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あえてメリットを挙げるとすれば......

   10日にJ-CASTニュースの取材に応じた管理栄養士の成田崇信さんは、生肉を洗い余計な油やドリップを落とすことのメリットについて、「あえてメリットを挙げるとすれば、ドリップは水溶性のタンパク質を多量に含んだ液体なので、そのまま鍋に入れ加熱すると凝固して泡立ち、鍋肌や他の食材に付着し、食感を悪くしたり、鍋を洗うのが大変になるのを予防できる事でしょうか」と説明する。

   油を落とすことについては、「(ベジセーフの)強アルカリ水であっても常温で少し洗ったぐらいで落ちる肉の脂肪というのは無視できるレベルだと思います」という。

   一方で、農水省や食品安全委員会が指摘しているリスクについてはどうか。成田さんは、特に生の鶏肉を洗うことについて「特に危険なのが、数十個程度という少ない細菌数でも食中毒を起こすことがあるカンピロバクター食中毒のリスクが高いといえます」と説明。「市販の生の鶏肉の半分ぐらいにカンピロバクターが付着していたという報告がありますので、生の鶏肉にはカンピロバクターが付着していると思って調理する必要があります」という。

   カンピロバクター食中毒は「典型的な食中毒症状を起こしますが、まれに感染後数週間後にギラン・バレー症候群という末梢神経障害を発症することがあり、注意が必要です」とし、次のように注意すべき点を説明した。

「水で洗うと鶏の表面に多く付着しているカンピロバクターが飛び散り、シンクの広範囲に広がることが分かっています。特に危険なのは生で食べる他の食材や完成した調理品に付着させることです。例え鶏肉を洗わなくても、鶏肉など生の肉を調理する時にはまな板を分けたり、使用後に消毒や中性洗剤で十分洗浄する事、そして、シンクの中も中性洗剤で洗うなどの配慮が必要です」

   また、牛肉、豚肉についても「まな板を分ける配慮は必要」だが、「洗う事が完全にNGかというと豚肉については言い切れないかもしれません」という。一方で牛肉は、「O157などの腸管出血性大腸菌が付着している可能性がある」とし、鶏肉同様、洗わないよう呼びかけた。

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