「野菜洗いの専用水」をうたって販売されている商品「ベジセーフ」が、公式サイトやSNSで、同商品を使って生肉を洗うことを勧める内容を記載し、「生肉を洗うことは食中毒菌を飛散させる恐れがあり危険だ」として批判の声が寄せられた。これを受けて、動画は削除され、ウェブサイトには注意書きが加わった。
専門家は生肉を洗うことで得られるメリットは一応あるものの、「生の鶏肉にはカンピロバクターが付着していると思って調理する必要があります」とし、生の肉を洗わないほか、まな板を分けるなどの配慮が必要だと呼びかける。
鶏肉洗う動画は削除、公式サイトに注意書き追記
公式サイトによると、ベジセーフは「食べるものを『安心して洗える』ことにこだわり」、純水と炭酸カリウムで構成された商品だ。「水を電解して生成したマイナスイオンの作用で、薬剤や汚れを落とします」という。野菜のほか米、肉、魚にも使えるとしており、肉や魚を洗うことの効果を「臭みやアクを落とします」と説明されている。
しかし、農林水産省や内閣府食品安全委員会は公式サイトやXで、シンク周辺に食中毒菌が飛び散るおそれがあるため、生肉を洗わないように呼びかけている。
YouTubeチャンネルには生の鶏肉を実際に洗って見せ、余計な油やドリップ(肉から分離して出る液体)が落とせると説明する内容のショート動画が公開されていた。これがXで拡散されると批判の声が寄せられた。なお、2024年5月14日時点で該当の動画は削除されている。
また、同社の代表取締役は12日にXで、批判を受けて公式サイトを改善、追記したと説明しており、14日現在、肉や魚への使い方を説明する箇所には次のような注意書きが入っている。
「生肉には食中毒菌が付着していることがあります。お肉を流水する際は、周りにまな板や食器類を置かないでください。また水はね防止のため、水量を少なくしてください。洗浄後はシンクやその周りをしっかり除菌消毒してください」
「食中毒菌は熱で死滅しますので、付着してても(原文ママ)調理すれば安心してお召し上がり頂けます」