「ガンダムベース(お台場)でセドリツアーに参加しましたが儲(もう)けがありません」。ヤフー知恵袋に2024年5月6日、こんな投稿があった。転売目的に購入したものの、利益は6000円だったことに憤っている。
この書き込みはインターネット上で、プラモデルファンを中心に炎上。「転売屋はアクダマそのもの!」、「マジで転売屋、情報商材屋はクソだわ」などの非難が相次いでいる。こうした行為がネット上で嫌わる理由を取材した。
買えない子どもたちの力に...と言うが
問題の投稿には、「私はガンプラが今が売れ時で、稼げる人は月30~50万と聞いてガンプラのファンになりました」、「買えなくて泣いてる子どもたちの力になれると聞き、ガンプラセドリに魅力を感じてきました」とのくだりがある。転売を正当化するような記述が、ファンの逆鱗に触れたようだ。なおこの投稿は、2024年5月10日10時までに削除されている。
ガンプラの転売は、新型コロナウイルスが蔓延していた時期に多発。品薄や価格高騰を招いた。量販店や模型店でガンプラを買いあさっていた転売ヤーもいたようだ。そこで、量販店などでは販売方法を工夫するなど対応。ガンプラ専門店の「ガンダムベース」では、公式サイトに「転売等、営利目的でのご来店・ご購入はご遠慮ください」と明記した。
ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、転売が毛嫌いされている理由を、こう述べる。
「転売ヤーは、人の弱みにつけこんで商売をしているところがあるからではないでしょうか」
2000年代から頻発
ネットでの転売・セドリ行為は、「ヤフーオークション」が開設された数年後の2000年代から、よく見られるようになったと井上氏。当時の転売ヤーは、地方の玩具店の倉庫を訪れて人気物品の在庫を丸ごと購入し、ヤフオクで販売して利益を得ていたという。当時から、プラモデルや超合金ロボット、レゴブロックの人気シリーズの転売は「2ちゃんねる」(現・5ちゃんねる)はじめネット掲示板で問題視されていたという。
井上氏によると、非難の的となる理由は以下の通りだ。
「マニア同士の交換なら相場を知っているので、法外な値付けはしないものです。しかし、転売ヤーは欲しい人の足元を見た高値を付けることも多く、そうした相場以上で販売する行為が『ずるい』『卑怯だ』という印象につながっているのでしょう」