「坂上どうぶつ王国」放送の被災地ネコの保護活動が波紋 「飼い主に配慮すべき」と批判も、フジテレビ「お答えする立場にない」

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   フジテレビ系のバラエティ番組「坂上どうぶつ王国」で、石川・能登の被災地でネコを保護する活動を紹介したことに対し、もっと飼い主に配慮すべきだと関係者から批判が上がっている。

   保護したネコを警察に届け出るなどと説明しなかったため、ネコの連れ去りにならないかと疑問が出ている。フジテレビの広報宣伝部は、「保護活動の詳細に関しては、当社はお答えする立場にございません」と取材に説明した。

  • 坂上どうぶつ王国の公式サイト
    坂上どうぶつ王国の公式サイト
  • 保護された1匹だとされたネコ(写真は、うさ@____Usaさん提供)
    保護された1匹だとされたネコ(写真は、うさ@____Usaさん提供)
  • 寄り添う今回のネコ(写真は、うさ@____Usaさん提供)
    寄り添う今回のネコ(写真は、うさ@____Usaさん提供)
  • 右上が今回のネコ(写真は、うさ@____Usaさん提供)
    右上が今回のネコ(写真は、うさ@____Usaさん提供)
  • フジテレビ
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  • 坂上どうぶつ王国の公式サイト
  • 保護された1匹だとされたネコ(写真は、うさ@____Usaさん提供)
  • 寄り添う今回のネコ(写真は、うさ@____Usaさん提供)
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  • フジテレビ

捕獲した計41匹について、自分のネコがいないか不安広がる

   「行き場なくした被災猫 緊急レスキュー! 全頭救出作戦」。2024年5月3日放送の「坂上どうぶつ王国」では、こう題して、被災ネコの保護活動を特集した。

   長崎で保護活動をしている男性と横浜に拠点がある保護活動家の女性が、地震被害で孤立集落になっている輪島市西保地区に入ったシーンから特集が始まる。

   住民約100人がヘリで避難しているといい、お腹を空かせたようなネコがあちこちから出てきた。飼い主がいるような人慣れしたネコもいるとされ、エサをあげながら、捕獲作戦をスタートさせた。

   捕獲器にエサを入れて次々にネコを保護し、先の男性が飼い主のいないネコは里親を探すと説明していた。同地区では、7日間かけて、計41匹を捕獲したとしていた。

   ところが、保護したネコをどうするか番組内で十分な説明がなかったため、動物保護の関係者らから疑問の声がネット上で上がった。

   災害時ペット捜索・救助チーム「うーにゃん」の代表をしているうささんは6日、保護した中には、首輪が着いたり、人慣れしたりしているネコもいたため、飼い主がいる可能性をX上で指摘した。行方不明のネコを探している輪島の飼い主らから、里親に譲渡されれば会えなくなると不安の声が出ているという。番組に出演した男性と女性と連絡を取ったが、保護したネコについて情報が得られなかったともした。

   うささんは翌7日、経過を報告し、自分のネコが番組に出ていたと飼い主から連絡があり、このネコは保護した場所から5キロ離れた家で生活していたとした。こうしたことから、ほかにも飼い主がいるネコがいるのではないかと推測した。

5月8日になって「被災犬猫保護情報掲載サイト」掲載を確認

   この投稿で、うささんは、「命が最優先です」と男性らの保護活動に理解を示しながらも、「飼い主不明の猫を保護したら、情報を公開しなければいけないと思うのです」と訴えた。

   その後、5月8日になって、別の保護関係団体がX上で、環境省などが運営している「被災犬猫保護情報掲載サイト」に保護したネコの情報をアップしたと出演男性から連絡があったと明らかにした。サイトを見ると、西保地区で男性が保護したとするネコの情報が公開されている。

   うささんは10日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように話した。

「出演した方たちは、被災地で1月から活動しており、2月にネコの譲渡会を開いたと聞いています。他に3匹の飼い主が見つかっており、保護したネコを公開するサイトはいくつかありますので、せめてそこに早く載せるべきでした」

   番組の取り上げ方についても、うささんは、疑問を呈した。

「動物を保護して幸せにするという番組のコンセプトを考えても、あまりに常識がなさ過ぎると思います。下調べも十分にしていなかったと思われ、テレビ局の責任はすごく大きいと思っています」

   保護したネコの扱いについて、石川県の薬事衛生課は10日、「情報交換サイトに保護したネコを載せたのなら、飼い主を見つけるための通常ルートになります。また、ペットは、法律上モノの扱いですので、警察に届け出る必要があります」と話した。

   番組に出演した男性は、4月28日にインスタグラムで、保護したネコの写真をいくつか投稿し、その数は明記しなかったものの、集落の世話役などに確認して、飼い主がいなかったり飼育を放棄したりしたネコだと判断したと説明していた。

   男性は5月10日、取材に対し、誠実にやるべきことをやっており、これ以上火に油を注ぎたくないため、記者に説明したことは記事にしないように求めた。

   フジテレビの広報宣伝部は同日、取材に対し、次のようにコメントした。

「被災地での猫の保護活動を取材し放送しました。番組でご紹介した取材内容以外の該当する保護活動の詳細に関しては、当社はお答えする立場にございません。視聴者の皆様に様々なご意見があることは承知しております。また、保護活動家の方々に適切な対応をお願いしております」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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