プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋、31）の次期挑戦者として、IBF・WBOスーパーバンタム級1位サム・グッドマン（オーストラリア、25）が有力視されている。
井上は5月6日に東京ドームで元世界2階級制覇のルイス・ネリ（メキシコ、29）を相手に防衛戦を行い、6回TKO勝利を収めた。
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ネリを倒した井上（写真：西村尚己/アフロスポーツ） -
井上の次期挑戦者候補のグッドマン（グッドマンのインスタグラムより） -
グッドマン陣営（グッドマンのインスタグラムより） -
ダウンを喫した井上（トップランク社インスタグラムより） -
ネリにパンチを打ち込む井上井（トップランク社インスタグラムより）
「井上は間違いなくボクシング界で最強」
試合を観戦したグッドマンは試合後リングに上がり井上と対面。リング上でコメントを求められた井上は「次戦、9月ごろサム・グッドマンと防衛戦をしたいと。これから交渉していきたいと思います」と明言した。
IBFとWBO2団体の世界ランキングで1位に立つグッドマンは18年4月のプロデビュー以来負けなしの18勝（8KO）を誇る。身長、リーチともに169センチの右構え。23年6月に行われたIBF世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦を制し、井上への挑戦権を獲得した。
世界の「モンスター」との対戦が現実的となったグッドマン。海外メディアはグッドマンの実力をどのように評価しているのか。
米スポーツメディア「The Sporting News」（WEB版）は、「井上はルイス・ネリ、マーロン・タパレス、スティーブン・フルトン、ポール・バトラー、ノニト・ドネア、ジェイソン・モロニー、マニー・ロドリゲス、ジェイミー・マクドネルといった強豪にKO勝ちしてきた井上は間違いなくボクシング界で最強だ」とし、「グッドマンが咬ませ犬として試合に臨むことは間違いない」と辛らつに評した。
米ボクシング専門メディア「ボクシングニュース24/7」（WEB版）は「井上は今、地球上で最高のファイターであるだけでなく、階級を問わず世界で最もエキサイティングなファイターだ」と井上に最大級の評価を与えた上で、グッドマンの実力に言及した。
「グッドマンは井上にとって簡単な相手だ」
記事では「ファイターは自分が勝てると信じなければならないが、果たしてグッドマンは井上を相手に逆転劇を演じるのに必要な道具を持っているのだろうか？」と疑問を投げかけ、ネリ戦で井上が初回にダウンを喫したシーンを振り返りながら改めて井上の実力に触れた。
「ネリが奪ったダウンは大きなセンセーションを巻き起こし、多くのファイターが『正しい一発を決めれば井上を倒せる』という確信を深めたことだろう。しかし、完全に気を取り直し、立ち上がってすぐに仕事に戻った井上の冷静さ、落ち着き、そしてプロ意識の高さはどうだっただろうか。どちらかといえば、頭部へのビッグパンチに対する井上の反応は、井上を倒すことがいかに難しいかを我々に示していた」
米ボクシング専門メディア「ボクシングニュース24」（WEB版）はグッドマンが過去に対戦してきた相手を「パンチ力に欠け、ほとんどが精彩を欠いた相手」と酷評し、「井上にとっては簡単な相手だ」と評した。
6日のリング上で井上が明かした通り、9月開催に向けてグッドマン陣営と交渉に入るようだ。