オレンジジュースが、ピンチだ。原材料のオレンジが、生産国のブラジルで不作となっている影響を受けている。
モスフードサービスは2024年5月7日、100%オレンジジュース(Sサイズ)を250円から290円に値上げすると発表した。さらに、アサヒ飲料の「バヤリースオレンジ1.5L」は23年12月1日から、雪印メグミルクの「Dole オレンジ 100%」は同年4月から、いずれも現在まで販売休止となっている。今後の見通しを取材した。
「原産地の天候不順の影響は色濃い」
日本果汁協会が発表したデータによると、2022年度のオレンジ果汁の輸入量は4.36万キロリットル(kl)で、リンゴ果汁に次いで2番目に多い。輸入元は、ブラジルが59%と圧倒的なシェアを占めている。いつまでオレンジの供給不足は続くのだろうか。
「バヤリースオレンジ」を販売しているアサヒグループを取材した。広報は、「原材料の買い付けなどの事業活動は引き続き行っているが、バヤリース1.5Lの販売再開の目途はたっていない」との答えだった。
また「Dole」を販売する雪印メグミルクの広報は、「オレンジジュースの販売開始時期は未定です。オレンジ果汁の入ってくる量が減っており、原産地の天候不順の影響は色濃い」と話した。
ブラジルの不作の影響受けない会社も
一方で、ブラジルでの不作の影響をあまり受けていない企業もあった。丸絞りオレンジジュースの自動販売機を設置している「IJOOZ」だ。
担当者によると、米国とオーストラリアから原材料を調達しているという。「売り上げにあまり影響は出ていません。値上げも、今のところ考えていない」と説明した。大手メーカーとの必要な供給量に違いはあるかもしれないが、産地による違いもあるようだ。