芸能プロの力がなくても、芸能界で活躍できる時代
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめた帝国データバンク情報統括部の飯島大介さんに話を聞いた。
――芸能プロの倒産が相次ぐ背景には、やはりテレビの凋落があるのでしょうか。
飯島大介さん そのとおりです。テレビ広告費は、すでに2021年にインターネット広告費に抜かれていますが、それ以上に大きいのはメディアとしての影響力が落ちていること。昭和・平成では家庭で見る娯楽動画といえば、テレビしかありませんでした。スポンサーももっぱらテレビCMで宣伝していました。
今では、テレビを見る若い人が少なくなり、「テレビ一強」から「エンタメの分散化」状態です。ユーチューブ、X(旧ツイッター)、TikTokと楽しい動画があふれ、自分で発信できるコンテンツが多くなっています。
スポンサーにとってもテレビよりSNSを使って商品を宣伝するほうが、効果が上がる時代です。芸能プロに入らなくても、ユーチューバーやインフルエンサー、ライバーとして個人で芸能活動ができるようになりました。
――たしかに、たとえば吉本興業を退社したオリエントラジオの藤森慎吾さんや、旧ジャニーズ事務所を退所した元NEWSの手越祐也さんのように、自分のYouTubeチャンネルを持って活動する人が増えていますね。手越さんは退所会見を自分のYouTubeチャンネルで行ない、百数十万人の視聴者がリアルタイムで視聴したほどです。
飯島大介さん 芸能プロの力がなくても、YouTubeで大受けしてメディアで活躍する先陣を切ったのは、「フワちゃん」ではないかと思います。「フワちゃん」はワタナベエンターテインメントをクビになったという話をテレビでされていましたが、明るいキャラクターのユーチューバーとして大成功し、逆に現在ではテレビでもひっぱりだこになっています。
つまり、「フワちゃん」のように一芸に秀でているところがあれば、芸能プロに所属しなくても、誰でもSNSを使って芸能界で活躍できる時代になったということです。