米アップルが新製品発表に際して、タブレット端末「iPad Pro」新作のプロモーションビデオを2024年5月7日(現地時間)に公開し、その内容が日本のXユーザーの間で波紋を広げた。著名クリエイターらからも様々な声があがっている。
「これまでにない薄さ」を動画で表現?ティム・クック氏もXでアピール
問題の動画はアメリカのポップス・デュオ「ソニー&シェール」の楽曲「All I Ever Need Is You」が流れるなか、巨大なプレス機が稼働する様子が映し出されている。様々な楽器、スピーカー、ゲーム機、テレビ、カメラ、本、画材などが高く積み上げられているものの、あっけなく圧縮。広い台座にiPadだけが出現するといった内容で、多機能なiPadの薄さが強調された。
アップル最高経営責任者(CEO)のティム・クック氏も8日、Xで動画を紹介し、「これまでにない薄さ、これまでにない先進的なディスプレイ、そしてM4チップの驚異的なパワー。このiPad Proを使って、どんなものが生み出されるのか、想像してみてください」と投稿している。
この動画はTikTokの流行に着想を得たのではないかという見方がでているほか、特に日本のユーザーから、「iPadのpvほんとグロい、ユーザーに物作る人多いだろうに彼らが傷つくことを平気でやっている」「自社以外の技術にリスペクトがない」「どこかの誰かが勝手に作った悪趣味映像だと思ったら、ティム・クックさんがアップしてた。正気かアップル。。。」などと批判が相次いでいる。著名クリエイターらの間でも話題だ。
人気ゲーム「どこでもいっしょ」開発元・ビサイド(東京都立川市)の南治一徳代表は、「Appleにしては随分と下品なPVを作ったものだな...、誰も止めなかったのか。このシーンだけで、新しいiPad Proの魅力大幅減だよ」と投稿した。
リクルートグループのコーポレート、サービスのブランディングを担うクリエイティブディレクター・萩原幸也氏は、「今さらiPadに『こんなに機能が凝縮された』といったメッセージが必要だったのだろうか。後で、ほとんどCGでしたって出てきそうだが、そこは本質的では無い」と述べている。