プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)が2024年5月6日、東京ドームで元世界2階級制覇のルイス・ネリ(メキシコ、29)を6回TKOで下し、それぞれの王座の防衛に成功した。
世界中で注目を集めたビッグマッチは海外ボクシング専門メディアで一斉に速報され、井上のプロ初ダウンが衝撃的に報じられた。
「ファンは井上がネリに『懲罰』を与えるのを見るために...」
試合は初回に井上がネリの左フックでダウン。プロ27戦目にして初のダウンとなった。ダメージを残すも初回を切り抜けた井上は2回に左のショートフックでダウンを奪い返すと、5回にも左フックでダウンを奪った。
井上は疲弊するネリに対して攻撃の手を緩めず、6回に右ストレートを顔面に叩き込むとネリは吹っ飛びダウン。レフェリーが両者の間に割って入り試合をストップ。世界の「モンスター」が初回のダウンを跳ね返し逆転で王座防衛に成功した。
米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン」(WEB版)は、過去にネリが日本でドーピング疑惑や体重超過の失態を犯したことを説明した上で、「日本のファンは井上がネリに『懲罰』を与えるのを見るために東京ドームに集まった」と解説した。
そして記事では、決着がついた6回のシーンについて「フィナーレは映画的であり、詩的でもあった」と表現し、「エンドクレジットが流れるとネリはキャンバスに倒れたまま椅子に運ばれ感覚を取り戻した。井上はミドルロープに飛び乗り、観客は力強く唸り、国民は一斉に何百万もの安堵のため息をついた」と記した。