部下の様子を常に気にかけ、心配なら声かけで確認
Oさんはこう話しています。
「私は、仕事に少し行き詰った時にも、なるべく平静を装ってしまいます。チーム内ではもうベテランなので、困った雰囲気を出しにくいのです。でも、上司のAさんは、なぜかそういう時に限って、ちゃんと気づいて声をかけてくれます。『あ、ちゃんと見てくれているんだな』と感じることが、時々あります」
2人が信頼関係で結ばれているのは、単に相性ではなく、上司のAさんが部下のOさんをしっかり見守り、かつ見守っていることを常にメッセージしていることが鍵のようです。
Aさんの言葉からは、常日頃細やかにOさんの仕事ぶりを見て、Oさんの強みや良さをどう活かせるかを考えながら、仕事を振っていることが分かります。
Aさんは管理職になってから、部下をよく見て、声をかけることを意識するようになったといいます。
「職場では、部下たちの様子がよく見える席に座っています。そうすると、電話のやりとりや表情とか話しかたで、何かがあると大体分かります。そして声をかけると、これまた大体当たるんですね(笑)」(Aさん)
あくまでも、担当する仕事に取り組み、問題解決に向けて努力するのは部下の仕事です。
ただ、その状態を見守り、良き相談相手となり、気持ちの揺れにも共感する。結果について最後は責任を取るのが上司の仕事です。
AさんとOさんの間には、その関係がしっかり根付いているのです。