猛クレームで担当を外され、すっかり自信を失った部下 上司が伝えた「周囲までよく見渡して」の真意

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私にも話したいことが...でも、涙で語れないまま

   翌日、Oさんが出社すると、早速、上司のA課長からミーテイングルームに呼び出されました。

   自分にも言い分はあるものの、お客様をひどく怒らせてしまったのは事実。どんな叱責を受けることになるかとOさんは身構えました。

   A課長は、話を切り出しました。

Aさん「先日のことは、Y主任から聞いていると思う。残念だけど担当は交代してもらうよ。後任はYさんに頼んだので、できるだけ早く引継ぎをしてほしい」
Oさん「はい、わかりました...。でも、私からも話したいことがあります。今回のお客様の件、私は決して新郎様を軽視したわけではないんです。そうではなくて...」

   そこまで話し始めたOさんは、思わず涙が込み上げてきて、続きを語れなくなってしまいました。

   しばらくその様子を見て少し落ち着いた頃を見計らい、上司のAさんが話しを継ぎました。

「お客様との仕事の経過は、Yさんから聞いているよ。これまで彼女に任せきりだった彼が、急なプラン変更を申し出てきたということだね。Oさんらしく、彼女の気持ちを丁寧に聴き、親身になって寄り添ってきたんだよね」
「ただ、お客様が担当者の交代を希望し、特に感情的になっている場合は切り替えも必要。思い入れある仕事だけに気持ちが落ち込むだろうけど、タイミングや相性もあるから、あまり気にしすぎないことだ」
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