「そんな担当者、すぐに替えて!」
ところが、式の日程と概要が定まりかけた頃、彼女の様子が沈みがちに。
詰めていきたい簡単な事案にも歯切れが悪くなり、なかなか答えがもらえず、前に進みません。すると、初回の打ち合わせ以来音信がなかった彼のほうから連絡が入り、打ち合わせすることになりました。
打ち合わせ当日は彼が1人で現れ、一方的に式の日程やプラン変更の話から始まりました。
これまでずっと彼女の要望を聴き続け、納得のいくプランが固まったところ。Oさんは、突然であまりの方向転換に居たたまれなくなりました。
そこで、彼女の希望を反映したプランを彼に見せながら説明し、もう一度彼女の意見をよく聴いたうえで、あらためて一緒に来店いただきたいと頼みました。彼は不承不承の様子で、帰っていきました。
すると数日後のOさんが非番の日に、彼の母親から職場に連絡が入りました。Oさんの上司と折り入って話しがある、と。上司のA課長が電話口に出ると...。
「うちの息子の話では、おたくの担当者は新婦側からだけ要望を聴いてプランを立てていて、新郎側の意見は一向に聞き入れないそうで、納得いかない。そんな担当者は、すぐに替えてほしい!」
強い口調でした。Aさんは、相手がひどく憤慨している様子と、息子さんたちも同意見とのことから、担当交代は避けられないと判断し、要望を受け入れたのです。
このエピソードは5月5日公開の<猛クレームで担当を外され、すっかり自信を失った部下 上司が伝えた「周囲までよく見渡して」の真意>に続きます。
(紹介するエピソードは実際にあったものですが、プライバシー等に配慮し一部変更を加えています。)
【筆者プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお):株式会社FeelWorks代表取締役。青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授。人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業のFeelWorks創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。
近著に、『部下全員が活躍する上司力5つのステップ』(FeelWorks、2023年3月)、『部下を活かすマネジメント「新作法」』(労務行政、2023年9月)、『Z世代の早期離職は上司力で激減できる!』(FeelWorks、2024年4月)など。