大型連休を海外で過ごす人も多い。新型コロナウイルスの5類移行直前だった2023年のゴールデンウイークに比べて客足が伸びる一方、止まらない円安は海外旅行にとっては逆風だ。渡航先の滞在費用が上がるのはもちろん、夏休みに向けて航空券の料金が値上がりするかどうかも関心事だ。
日本航空(JAL)の斎藤祐二副社長は24年5月2日に開いた決算会見の場で、円安によって航空運賃を変動させる考えは「基本的にはありません」と説明。円安で需要が冷え込むような事態になれば、「需要喚起的な運賃」を検討する考えを明らかにした。
燃油サーチャージは「少し影響が出るところがあるかもしれない」
円安と夏休みの航空運賃との関係について問われた斎藤氏は、
「円安になったからと言って、運賃を変動させるということでは、基本的にはありません」
と述べた。その上で、
「むしろ需要がその(円安の)影響で弱くなってくるようなところがあれば、需要喚起的な運賃というのも、もう少し考えていく必要があると思っている」
とも話し、キャンペーン運賃も検討する考えを明らかにした。
ただ、国際線の旅客運賃に上乗せする燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)は、「場合によっては円安が進むと少し影響が出るところがあるかもしれない」とした。サーチャージは「ケロシン」と呼ばれる航空燃料の原料がシンガポール市場で取引される価格をもとに決まり、この価格は米ドル建てだからだ。
JALが4月17日に発表した6~7月発券分のサーチャージの金額は、日本発の片道で韓国以外の東アジア路線は9200円、マレーシア・シンガポールなどの東南アジア路線が1万8500円、ハワイが2万2500円、北米・欧州が3万5000円。レートは1ドル149.52円で計算している。この間に進んだ円安は、6月中旬に発表される8~9月発券分の金額に反映されることになる。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)