マーケティング会社のインテージが2024年4月23日に発表した調査結果によれば、今年のゴールデンウイークの過ごし方は「自宅で過ごす」(34.1%)、「外食に行く」(20.5%)、「ショッピングに行く」(16.7%)と、遠出をしないで近場で過ごす人が多いようだ。
中には、連休でパチンコ・スロットに行く人もいるだろう。パチンコホールはコロナ禍で逆風を受けた。パチンコ業界は「連休を近場で過ごす」を追い風にできるか。
スマスロ、スマパチが起爆剤となるか
コロナ禍を苦しんだパチンコホールだが、新しく導入された設備もある。スマートパチンコ(スマパチ)やスマートスロット(スマスロ)と呼ばれるもので、それぞれ2023年と2022年に稼働を開始した。出玉やメダルに触れることなく、ICカードで管理するかたちの遊技台だ。
帝国データバンクの2023年6月23日のレポートでは、
「2022 年には(パチンコ業界の)総売上高は 3%減にとどまった。スマートスロットなどの新台リリースで顧客が戻ってきていることが要因と考えられる。顧客の引き留め、拡大を継続できるかが今後のカギとなる」
と分析していた。
この調査を担当した森山玄将氏を取材した。スマスロやスマパチの人気について、森山氏は「まったくパチンコをやったことのない新規顧客を引き付ける起爆剤にはなっていないと思います」と回答。一方で、こう説明した。
「パチンコを止めた人や離れた人にとっては、スマスロ・スマパチで昔の台が復刻していたりするので、顧客がパチンコホールに戻ってくるきっかけにはなっているようです」
営業は法律で厳しく決められている
森山氏によると、「ゴールデンウイーク、お正月といった連休は、お客さんが増えます」。今年の大型連休も、一定数は増加しそうだ。
パチンコホールの営業は、風営法で厳しく決められており、営業できる時間帯も決まっている。仮に来店客が激増しても、営業時間の営業や開店時間の繰り上げは不可能だ。
「年末年始の三重県のように条例が適用される一部の例外を除いて、連休中でも通常の営業時間を守るパチンコホールがほとんどでしょう」と解説した。