電気・都市ガス料金への補助金終了がどう響くか?
――中東情勢の緊迫化の影響はありますか。
飯島大介さん 原油高も心配ですが、物流費への影響が少しずつ表れています。
イスラエルとハマスの戦争によってスエズ運河を通れない船舶が、アフリカを大きく迂回したり、欧州を陸路で運んでいたりしているため、今後さらに物流コストが増加する可能性があります。
もう1つ見逃せないのが、政府が今年5月いっぱいでの終了を決めた「電気・ガス激変価格緩和事業」の影響です。
――どういうことですか。
飯島大介さん エネルギー価格の高騰を背景に、政府が昨年1月に導入した電気・都市ガス料金への補助金制度のことです。補助金制度の長期化は、財政負担を拡大させてしまうという理由から、5月使用分までの打ち切りを決めました。
しかし、電気・都市ガス料金への補助金が終了すれば、2人以上世帯では、電気料金の支払いは年間約1万8000円(月間1500円)、都市ガスは年間約5000円(月間450円)増加すると試算する専門家もいます。つまり、毎月約2000円の負担増です。
家計に打撃を与えて、賃上げ分がなくなる世帯が出る恐れもあります。また、企業の製品製造のコストアップにもつながり、さらなる値上げラッシュの再燃が秋以降に広がる可能性もあります。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)